たいよう事業所 中島亮さん

たいよう事業所

北区豊島。NPO法人尚道手をつなぐ会が運営。利用者一人一人の特性や能力に応じた生産活動や生活活動及び就労の機会を通して、地域との交流を深めながら、充実かつ安定した地域生活の実現をめざしている。

困ったときにフォローしてくれる先輩や同僚の存在ほど心強いものはない

業指導員として、軽度の知的障害のある利用者さんに関わっています。一人一人の特性や能力に応じて、さまざま作業の指導や補助にあたっています。

─ このお仕事を始めたきっかけは?

 僕の身近に、うつ病を患っていた人がいたことから、当初は精神障害のある人の助けになりたいと思っていました。そこで、精神保健福祉士の資格を取得しようと考え、仕事を辞め、専門学校の説明会に参加したんです。そのとき、講師の方から「最近は障害と障害の垣根がなくなりつつあり、精神保健福祉士であっても知的障害者の支援に携わることも多々ある」と聞きました。精神障害については関心があったぶん、多少の知識があったのですが、知的障害については何も分からない状態でしたね。ちょうどその時期に、当事業所の求人を見つけ「知的障害のある人たちと関わる仕事をしながら経験を積み、自分の学びも深めていきたい」と思い、今に至っています。

─ 働いてみての感想、気をつけていることなどはありますか?

 日中は職業指導員として働きながら、夜は精神保健福祉士になるための専門学校に通っています。現職に就いて丸1年が経ちましたが、とても充実した毎日です。
 利用者さんの作業は、箱折り、マグネット製品の組立、化粧箱の検品などの軽作業に加え、当事業所がある建物の館内清掃や公園清掃なども請け負っています。職業指導員として気を付けていることは、どのような作業においても手助けをしすぎないこと。利用者さんが自分で考え、自分で挑戦する姿勢を尊重しながら、必要に応じた支援をすることが大切だということを、仕事を通じて学びました。
 ちなみに、今の仕事に出会うまで、福祉業界で仕事をしたことはありませんが、コミュニケーション能力だったり、パソコンに関する知識だったり、社会人としての経験の中には、福祉業界で生かせるものもたくさんあります。僕の場合は、20代のころ格闘家だったので、ボクシングや相撲などの話題で、利用者さんと会話が盛り上がると「格闘家の経験をしておいてよかったな」と思いますね(笑)。

─ 悩み、やりがいなどを教えてください。

利用者の作業能力を尊重し、支援しすぎないことが、利用者の自信や成長につながる

 知的障害のある利用者さんは、コミュニケーションの行き違いなどから、ちょっとしたことで揉めることが日常茶飯事。また、利用者さんの年齢層に幅があるため、元気で活発な若い利用者さんたちに、年配の利用者さんが苛立ってしまうこともしばしば。そういうときに、その場をうまくおさめるのも、僕たちの大切な仕事の一つです。悩みといえば悩みかもしれませんが、本音でぶつかり合う利用者さんたちの姿に「人間味があっていいな」と思うことのほうが多いですね。
 利用者さんが生き生きと仕事をする姿を見せてくれることが、何よりものやりがいですが、自分を慕ってくれていることが分かると本当に嬉しくなります。この前、ある職員が退職した際に、利用者さんたちが僕のもとへ来て「中島さんは辞めないでね」と言ってくれたことがあって、心が温まりました。

─ 今後はどのように働いていきたいですか?

 当事業所は、知的障害のある人を利用対象としていますが、中には精神科のクリニックに通院されている方もいらっしゃいますし、利用者さんのご家族の中には、メンタル面でのケアが必要な方もいらっしゃるので、そういう皆さんにとっても役立つ自分でありたいです。そのためにもまずは、精神保健福祉士の資格を取得することが第一の目標です!
 この仕事の達成度は数字で測ることができませんが、利用者さんからも、そのご家族からも、また同僚からも信頼されるような仕事をしていきたいと思っています。

メッセージ

現在の仕事に就くまで、知的障害のある皆さんと関わりを持ったことがなかったのですが、皆さん、とても人懐こくて、親しみやすく、初出勤の日から打ち解けることができました。この仕事に、向き不向きはあまりないように思います。それは、利用者さんが多様なので、職員の職歴も性格も多様でいいと思うためです。どんな人でも、その人ならではの経験や長所を生かし、活躍できる仕事だと思います。

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