
北区浮間。社会福祉法人東京都福祉事業協会が運営する特別養護老人ホームの訪問介護部門。高齢住民の要支援・要介護の度合いに応じて、訪問介護員が家庭を訪問し、身体介護やさまざまな生活援助、相談・助言をおこなう。
大学卒業後、一般企業に勤務し、結婚後には職業訓練校でヘルパー資格を取得して特養や在宅介護支援センターで働いていました。出産・子育てで仕事を離れたのですが、子供が幼稚園に入ったので、改めて仕事を始めようと思い、去年9月の「福祉のしごと総合フェア」に参加しました。
残業や夜勤はできないし、年齢的な事情もあって、はたして採用があるのか不安はありました。フェアではいくつかのブースで話を聞き、「経験はこの程度で、子育て中でもあり、ブランクもあるが大丈夫でしょうか」と、率直な不安をざっくばらんに話せました。この職場はフェアで対応してくれた方の雰囲気もよく、家の近所で、幼稚園の送迎も可能なこともあって、10月末から働かせてもらうことになりました。
自分の場合、ブランクがあったことと、子育てとの両立が不安でした。働き始めてみると、周囲の皆さんが親切に教えてくれ、相談にものってもらっています。子供のことも配慮していただき、助かっています。わからないことも気兼ねなく「わからない」と言いやすく、安心して働いています。
ヘルパーの仕事は予想した以上に勉強になるものでした。日々、福祉の最前線で働いていると感じています。特養だと利用者はどうしても施設のやり方に合わせるようになって、言いたいことを言えなくなる傾向もあるようですが、在宅ではすべてをその方の生活に合わせていくことになります。在宅介護・援助には問題も少なくありませんが、一度は経験しておくべき現場だと思います。
利用者のわずかな変化にできるだけ早く気づくことができるように、気を配っているつもりです。体調や言葉に出る違いや鬱症状など、高齢者には変化が結構あります。訪問時に見落としてしまうと一大事になるかもしれません。大きな責任を感じます。
限られた時間内で数多くの仕事を終わらせなくてはならない。日用品の買物も大急ぎで !
普段は利用者であるお年寄りたちの自宅に出向いて、それぞれに奮闘しているヘルパー仲間たちと
対人サービスであり、年齢の離れた利用者とのコミュニケーションに悩むことがあります。どのように話をするか、聞き上手になれるかが課題です。尊敬すべき人生の先輩を相手にするのですから、オムツ交換などの身体ケアに際しても、自尊心を尊重し、恥ずかしい思いをさせてはいけないと思います。仕事としての効率と敬意とのバランスに配慮する必要があるでしょう。
ベテランのヘルパーは、些細なことにも敏感に気づくことができるようです。自分はあまり敏感なタイプではなく、ヘルパーに向いているかどうか不安でしたが、先輩を参考にして、以前よりも気をつけるようになりました。また、仕事に入ることで毎日にメリハリがつき、子供にも優しくできるようになったように感じます。
大変なのはスケジュールのやりくりです。子供の通院や預かり保育の予約などですが、でもそれは働く親なら誰でも同じことでしょう。各家庭で1日に何回も掃除や料理をしますので、自宅での家事が少々ずぼらになってしまっているかもしれません。
高齢者と接し、お話をするなかで、その方の人生の一部に触れることがあります。自分にとっても人生勉強になる機会です。教わることはたくさんあります。
まず今の仕事を地道にしっかり続けていき、ゆくゆくは介護福祉士などの資格も取得したいと思っています。現時点では将来どのようにしていくかまではわかりませんが、今の仕事は非常にいい経験になっています。このご時世ですし、家計的にも働く必要があります。子供がもっと大きくなったらフルタイムで働きたいです。

子育てなどで時間の制約があるなかでも、少しでも働きたいという人には、ヘルパーはとても合っているのではないかと思います。ある程度は時間にも融通が利きます。怖がらず、一歩踏み出してほしい。私はそうしてよかったと感じています。一般企業では一定の年齢からの再就職は難しいものですが、ヘルパーの仕事には人生経験も必要です。熱意があれば年齢を選ばない仕事であることは、自分と同じような境遇の人にはいいチャンスになるでしょう。
