西が丘デイサービスセンター稲田稔さん 送迎の運転と同時に、利用者やご家族を施設と結ぶ役目も果たしています

施設紹介
西が丘
デイサービスセンター

北区赤羽西。平成14年10月開設。医療法人社団岩江クリニックが運営するデイサービスセンター。介護が必要なお年寄りが集い、機能訓練やレクリエーションを通じて、身体機能の維持向上を図り、豊かな在宅生活を送る支援を行う。

デイサービスに通ってこられる利用者の方々を送迎する車の運転手として働いています。朝、時間になるとお迎えに行き、帰りにはまたお送りします。それ以外の時間は、基本的には施設内での利用者の見守りです。歩ける方をトイレに連れて行ったり、レクリエーションの担当もしています。時にはクリニックの訪問診療の車の運転手を務めることもあります。
このお仕事を始めたきっかけは?

  前職はCD販売店勤務でした。51歳で早期退職という形でやめたのですが、資格も持っていませんし、この年齢では新しい仕事はなかなか見つかりませんでした。たまたま昨年、新聞の折込チラシで合同面接会のことを知り、参加しました。運転手の職を探していたところ、こちらに採用されました。ですから、動機としては特に福祉の仕事をしたかった、というのではありません。 
  合同面接会の後に、こちらに見学に来たんですが、その時の第一印象は「自分で務まるのかな?」という感じでした。利用者によっては、こっちをじいっと凝視している場合がある。変な言い方ですが、ちょっと怖いというイメージもありました。まだ利用者の方々のことも何もわからなかったですし、不安もありました。入職後も、運転手として日に7、8軒、週に20人以上の送迎をするため、最初は道を覚えるのに苦労しました。

働いてみての感想、気をつけていること等はありますか?

  最初は専門用語に戸惑いました。「バイタル」といわれてもピンとこないし、「移乗」「食介」というのもわからなかった。今ではどうにか慣れてきました。 
  自分はまだヘルパーの資格を持っていないので、お迎えに行くのはだいたい自分で歩ける方々ですが、とはいっても杖を使われる方が多いので、転んだりしないように注意しています。高齢の方は、我々からすれば大したことのないような場所でつまずいてしまったりすることもありますので、一瞬たりとも目が離せません。
  自分たちは、あくまでも利用者のお手伝いだということを忘れないようにしています。それを意識していないと、場合によっては高圧的な態度になってしまうことにもなりかねません。また、慣れてしまうと注意力散漫になり、利用者の体調の変化にも気づきづらくなりますので、いつも気をつけていたいと思います。 
  送迎の運転手は、実はその日、一番最初に利用者と接する立場ですし、そのご家族との日々の窓口でもあります。細かい点にも目を配り、皆さんの体調についても把握していかないといけない役目もあるのです。おかげで、プライベートでも町中で、以前よりお年寄りに目が行くようになりました。

写真 介護の様子

送迎は、お年寄りの様子を把握するための貴重な機会。元気でお迎えし、より元気になって帰ってもらいたいもの

写真 介護の様子

運転以外の時間は施設内でお年寄りたちの見守りも。さらにお役に立てるよう、ヘルパー資格取得に向けた勉強にも励む

悩み、やりがい等を教えてください。

  つらかったのは、冬の寒さと夏の暑さですね。以前は一日中、店舗内での勤務でしたが、送迎だと温度差のある屋内と戸外の往復になります。自分の体調管理がより重要になりました。自分が元気でないと良い介護が出来ないですからね。 
  ある程度以上の高齢の方が多いので、最初のうちはなかなかこちらの名前を覚えてもらえませんでした。最近はどうにか顔を覚えてもらえたようで、「今日は誰が送ってくれるの?アンタ?ああよかった」などと言われると嬉しいですね。 
  また、こちらの話に乗ってくれて会話が進む時などがあります。利用者は自分の親と同じ世代で、昔のテレビや歌の話、皆さんが若かった時代の暮らしなどを話題にすると、それを覚えているので反応がいいんです。そういう時も嬉しいです。こういうことは年齢なりに有利な点かもしれません。

今後はどんな風に働いていきたいですか?

  今はヘルパースクールに通ってヘルパー2級の勉強をしているところです。スクール代は法人の補助金制度を利用しています。この仕事をする上では、資格がないと車椅子の介助もできませんから、必要不可欠だと思います。初めてのことへの挑戦ですから不安もありますが一人前になれる事の喜びもあります。ただ、スクーリングを終えても、慣れるまでは少し時間がかかるかもしれません。

稲田さん写真

自分もそうでしたが、始める前にはどうしても、頭で考えてしまいがちです。介護のことにしても、働き始める前にはいろいろと調べたりはしましたが、結局、実際のところはなかなかわからないものです。ならば、飛び込んでしまった方がいいと思います。もちろん、どんな仕事でも同様に、短期間で完璧な仕事ができるようになることはありません。多少の辛抱は必要ですが、今は毎日がとても楽しく充実しています。

(平成20年8月取材)
back   <<  index  |  1  |  2  |  3  |  4  |  5  |  6  |  7 |  8  |  9  |  10  >>   next