法定後見制度

法定後見制度は、すでに判断能力が低下している方が利用する制度です。
(判断能力が低下していない方は任意後見制度になります)
家庭裁判所にご親族の方などが申立をして、裁判官に適任とみられる成年後見人等を選任してもらいます。ご本人の判断能力の状態に応じ、補助人、保佐人、成年後見人(以下「成年後見人等」)が選任されます。

成年後見人等(類型)

  1. 補助人が選任される場合(補助類型)
    契約の内容が分からない、お金の管理が難しいので、誰かに代わってほしい
  2. 保佐人が選任される場合(保佐類型)
    重要な契約や、多額のお金の管理をすることが本人一人では難しいので、誰かに手伝ってほしい
  3. 成年後見人が選任される場合(後見類型)
    重要な契約や、お金の管理は本人一人でできるかもしれないが、誰かに手伝ってもらう方が安心

成年後見人等がお手伝いできること

  1. 代理権(保佐類型、補助類型の場合は、申立時に本人の同意が必要です)
    特定の法律行為(各種手続き)について、ご本人に代わって成年後見人等が行なうことができます。
     

    ① 財産管理に関する法律行為
    本人の資産に関することや負債、収入・支出の内容を把握し、本人のために必要かつ相当な支出を、計画的に行ないつつ、資産を維持していくための法律行為。

    ② 身上監護に関する法律行為
    介護契約や施設入所契約など、ご本人の身のまわりの世話や療養監護に関する法律行為。

  2. 同意権・取消権(補助類型の場合は、申立時に本人の同意が必要です)
    重要な法律行為(民法13条1項)について、必要に応じて同意したり、取消したりすることができます。
    ※ 日用品の購入、その他日常生活に関する行為については、取り消すことができません。

申立ができる人

ご本人、配偶者、四親等内の親族、成年後見人等、任意後見人、成年後見監督人等、区市町村長、検察官。

成年後見人等になれる人

本人の親族や、法律・福祉の専門家(弁護士・司法書士・社会福祉士)、その他の第三者等がなることができます。
※ 最終的には家庭裁判所がふさわしい人を選任します。

申立に必要な書類・費用(費用は申立人が負担します)

  1. 申立書一式
  2. 本人の戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)
  3. 本人の住民票または戸籍の附票
  4. 本人の「後見登記されていないことの証明書」
  5. 本人の診断書(成年後見用)
  6. 「愛の手帳」コピー(保持者のみ)
  7. 申立人の戸籍謄本(申立人と本人の関係が繋がるもの)
  8. 申立人の住民票
  9. 収入印紙 3,400円(保佐や補助で代理権や同意権の付与の申し立てもする場合は、それぞれ800円追加になります。)
  10. 郵便切手 後見の場合 3,270円 補助・保佐の場合 4,210円 
  11. 鑑定費用 5~10万円程度(原則保佐、後見のみ)

◆10、11は、裁判所内の売店でも販売しています。

※申立費用については、申立人が負担することが原則とされていますが、この手続を行うことがご本人の保護となり、利益になると考えられることから、東京家庭裁判所では、申立費用について、本人負担とする裁判をする運用となっています。審判確定後、選任された後見人等に対し、本人の財産の中から本人負担とされた手続費用の償還を求めることができます。(東京家庭裁判所発行「成年後見申立の手引」より一部引用)

成年後見人等の候補者がいる場合

  1. 候補者の事情説明書
  2. 候補者の住民票または戸籍の附票

 

権利擁護センター「あんしん北」では、制度のご説明や申立書の配布、申立の相談・支援を行なっています。

申立書類は東京家庭裁判所後見サイトからダウンロードできます。

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