第4次 北区地域福祉活動計画

 

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社会福祉法人北区社会福祉協議会第4次北区地域福祉活動計画

令和元年9

地域福祉活動計画は、(北区の)住民主体による活動計画です

 

 

 

アイちゃんの部屋出張版

今回の第4次北区地域福祉活動計画では、アイちゃんがさまざまなかたちで登場します。

みなさんにとってアイちゃんがより身近な存在になりますよう、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

アイちゃんとは?

北社協広報紙「きたふくし」やホームページなどでおなじみの、元気でかわいらしい女の子「アイちゃん」が、60周年を機に平成25年に北区社会福祉協議会の公式キャラクターとして任命されました。

アイちゃんの名前の由来は、北社協のモットーでもある「ささえあい、たすけあい」の「あい」からきています。アイちゃんは、北社協の広報大使としてさまざまな場面で活躍しています!

 

私はアイちゃん。北区が大好きで、毎日楽しく暮らしています♪

北社協の広報大使として、いろいろなところで活躍しています!

明るく元気いっぱい!みんなのことを元気にしたくて毎日駆け回っています。

 

 

 

はじめに

北区社会福祉協議会は、戦後復興期の昭和28年、当時の民生委員を中心に、町会自治会の代表など地域住民が参加し、民間の地域福祉の推進拠点として設立されました。以来、地域のみなさまと共に「誰もが安心して暮らせるまちづくり」に取り組んでまいりました。

また、平成263月に策定された「第3次北区地域福祉活動計画」においては、すべての生活課題に対応するべく地域に出ていくアウトリーチの徹底、生活課題の発見、問題解決に向けた事業展開と支援のネットワークづくりに取り組んでまいりました。

現在、国は、高齢化や人口減少、複雑・多様化した福祉課題を背景に、地域住民一人ひとりがあらゆる役割をもち、ささえあい・たすけあいながら自分らしく活躍する「我が事・丸ごと」地域共生社会の実現を目指しております。国の「我が事・丸ごと」地域共生社会の考え方は、北区社会福祉協議会が今まで地域のみなさまと取り組んできた住民相互のささえあい・たすけあいによる「福祉のまちづくり」の考え方と軌を一にするものです。

北区では、近年、人口及び世帯数は増加傾向にありますが、地域での身近な交流やコミュニケーションは希薄化しています。こうしたなか、子どもの貧困や社会的孤立など、見えにくい課題が潜在化しております。地域で身近にある見えにくい生活課題に気づき、解決していくためには、地域のみなさま、一人ひとりのお力が非常に重要なものとなっています。いまこそ、社会福祉協議会は「福祉のまちづくり」で培った経験・人脈を活かし、地域の社会資源をつなぎ、地域福祉推進のネットワークの中核としてコーディネート力を発揮する時であると考えています。「第4次北区地域福祉活動計画」は、住民活動計画として、地域の生活課題を地域のみなさまのお力で解決した事例もご紹介しております。一人でも多くの方に、地域福祉の取り組みを知っていただき、自分のできることから取り組みをはじめていただけると幸いです。

最後になりますが、お忙しいなか、熱心にご審議いただきました加山弾委員長をはじめ「地域福祉活動計画等推進委員会(策定委員会)」、「計画策定作業部会」の委員のみなさま、計画に活動をご紹介するため、また、意見を反映させるために北区社会福祉協議会職員によるヒアリングを受けてくださった関係団体のみなさま、区民のみなさまの意見を直接お伺いするために実施した「我がまちふくしミーティング」にご参加くださったみなさま、計画策定にあたりご協力をいただきましたすべてのみなさまに心から感謝申し上げますとともに、みなさまの今後の温かいご支援、ご協力をお願い申し上げます。

 

令和元年9月…社会福祉法人北区社会福祉協議会会長…荒木正信

 

 

 

4次北区地域福祉活動計画等推進委員会(策定委員会)委員長あいさつ

多くの方々の参加を得て、「第4次北区地域福祉活動計画」が完成しました。地域福祉活動計画等策定委員会、計画策定作業部会では毎回熱のこもった議論が交わされましたし、ヒアリングや説明会などではより多くの関係者、地域のみなさまからご意見を伺うことができました。ご協力くださったみなさまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

言うまでもなく、昨今、近所づきあいの希薄化が進み、住民同士でたすけあう力が脆弱になっています。このことは、身近で暮らす誰かの悩みに「気づかない、気づいても見て見ぬふりをする」風潮を強め、高齢者や子育て世帯のさまざまな生活上のリスクや問題を増幅させているほか、「社会的少数者」と呼ばれる方々(障がいのある人々、外国籍住民、性的少数者など)の深刻な生きづらさをもたらしています。孤立死(孤独死)、振り込め詐欺被害、8050(はちまる・ごーまる)問題、ごみ屋敷、ひきこもり、虐待、近隣トラブルなどは今日的な問題の典型であり、看過しがたいものばかりです。これらは社会的孤立や排除の問題であり、「人間関係の貧困」とも呼ばれます。

こうした状況を受け、国は「我が事・丸ごと」の地域共生社会の実現を掲げ、政策化を進めています。地域のさまざまな人びとが立場の違いを越えてつながりあい、それぞれの得意分野(仕事や趣味など)を活かしあって暮らしやすい地域づくりを主体的・包括的に進めていこうとするもので、本計画でもその理念に沿って策定が進められました。北区でもまさに地域の福祉力強化が求められているのです。

さて、本計画では、「誰もが安心して暮らせるまちづくり」という基本理念の下、3つの基本目標が掲げられ、それぞれに具体的な取り組みが盛り込まれました。基本理念を裏返せば、上で述べたとおり、さまざまな問題を抱え込み、生きづらさを感じている人、誰にも相談できずに悩んでいる人が増えているという厳しい実態があります。子どもから大人まで、誰もがかけがえのない存在として尊ばれ、またその人のもつ魅力で地域を輝かせることができます。また、行政、住民組織(町会・自治会、NPO法人、ボランティア団体など)、医療・教育機関、社会福祉法人、企業・商店などの営利組織などが連携し、それぞれの持ち味を活かしあうことで、さまざまな資源(居場所、担い手、活動など)を創出することができます。

10年後も、20年後も、誰にとっても住みよい「わが街・北区」であり続けられるよう、「今」、そして「これから」の取り組みを大切にしましょう。本計画がそのためのロード・マップになることを願います。

 

令和元年9月…東洋大学社会学部社会福祉学科教授…加山弾

 

 

 

目次

第1章北区地域福祉活動計画の策定にあたって

1計画策定の趣旨

2地域福祉にかかわる社会的背景

3計画の位置づけ

4計画の期間

5策定プロセス及び策定体制

6進捗管理

 

第2章北区の概況

1数字で見る北区の概況~基礎データ編~

2数字で見る北区の概況~地域の活動編~

3地域福祉にかかわる課題例

 

第3章基本目標と方向性

1計画策定までの流れ

2体系図

3基本理念と基本目標

4取り組みの方向性

5重点項目

6北社協の活動基盤・体制強化

 

資料編

1地域福祉活動計画等推進委員会要綱

2地域福祉活動計画等推進委員会(策定委員会)委員名簿

3検討経過

4団体ヒアリング調査の実施状況

5我がまちふくしミーティングの実施状況

6策定に向けたこれまでの地域向け説明会・周知活動などに関する概要

7これまでの北区地域福祉活動計画

 

 

第1章…北区地域福祉活動計画の策定にあたって

本章では、地域福祉活動計画策定の趣旨や地域福祉にかかわる社会的背景、計画の位置づけや期間などについて記述しています。

 

 

1…計画策定の趣旨

  • 北社協とは

北区社会福祉協議会(以下、「北社協」という)は、昭和28年に地域の民生委員や福祉、産業など地域関係者などの有志によって任意団体として設立された組織です。以来、地域住民とともに、地域福祉の充実のために、さまざまな取り組みをしてきました。

 

  • 活動計画をなぜつくるのか

昭和から平成にかけて時代や社会情勢の変化とともに、地域福祉や社会福祉協議会の役割も大きく変化することとなり、地域福祉を推進するための長期計画を策定して住民主体の福祉のまちづくりを推進することが重要になってきました。

 

  • 計画策定の経緯

北社協では、平成83月に「第1次北区地域福祉活動計画」を策定し、「誰もが安心して暮らせるまちづくり」を基本理念として、「地域ごとのまちづくり」や「ボランティア活動の推進」「地域福祉ネットワークの充実」などのさまざまな取り組みをしてきました。

その後、社会福祉基礎構造改革の流れをうけて、新たな法律の成立や制度の改正が行われるなど、社会福祉の流れは大きく変化しました。平成125月には従来の社会福祉事業法を改め、利用者の立場の尊重という観点に立った地域福祉の推進をめざす社会福祉法が成立し、そのなかで社会福祉協議会は地域福祉の推進役として明確に位置付けられることになりました。

平成18年には『第1次北区地域福祉活動計画』の成果を踏まえるとともに、社会経済状況の変化や新しい地域の課題に対応するため『第2次北社協地域福祉活動計画』を策定し、「多世代によるささえあいの推進」や「一人ひとりの立場に立った支援を実現する」などに取り組んできました。

また、平成26年には『第3次北区地域福祉活動計画』を策定し、東日本大震災を契機に地域住民同士の絆の重要性が再認識されるようになった社会的背景をふまえ「北区でつくろう、みんなでささえあう33万人の輪」の方針のもと、29項目に及ぶ取り組み目標を掲げ、地域福祉の推進に取り組んできました。

 

  • 地域共生社会をめざして

このようななか、近年国では「我が事・丸ごと」の地域共生社会の実現をキーワードにさらなる社会福祉制度改革に取り組む方向性を示し、介護保険法や社会福祉法の改正をはじめとする改革に着手しています。

北区でも高齢化の進行や一人暮らし世帯の増加などを背景として、人間関係の希薄化、高齢者、障がいのある人、子育て世帯、生活困窮者などの社会的孤立などに伴う慢性的な不安感や役割や生きがいの喪失など、新たな課題が浮かび上がってきています。

こうした状況に対応するため、北社協においても、「誰もが安心して暮らせるまちづくり」という基本理念を踏襲しつつ、『第4次北区地域福祉活動計画』を策定し、地域福祉の推進に向けて、さらなる事業の充実と活動の展開を図ることといたします。

 

 

2…地域福祉にかかわる社会的背景

  • 地域共生社会の実現

近年、国では多様化する福祉課題に対応するため「我が事・丸ごと」の地域共生社会の実現をキーワードに、さらなる社会福祉制度改革に取り組む方向性を示しています。

地域社会においても「誰もが安心して暮らせるまちづくり」の理念のもと、さまざまな生きづらさを抱えた住民が地域から排除されることなく、一人ひとりの生活や尊厳が尊重されながら共生できる社会を目指すための住民主体の取り組みの推進が必要と考えられています。

 

  • 小地域福祉活動と圏域

地域福祉活動は、その活動内容や対象に応じて活動の圏域(エリア)があります。地域福祉活動はより小地域での取り組みモデルが注目されるようになってきています。現在北区では、「日常生活圏域」は17圏域が設定されており、各エリアに高齢者あんしんセンター(地域包括支援センター)が設置されています。

都の計画では住民に身近な圏域として以下のような圏域が例示されています。

 

圏域の例

・小学校区域(住民の具体的な活動の場となる圏域)

・中学校区域(専門職の関与により包括的な相談体制が整えられる圏域)

・区市町村域(多機関が協働した総合的な支援体制が整備される圏域)

・東京都域(特に専門的かつ困難な課題への対応が図られる圏域)

(出典: 東京都地域福祉支援計画より)

 

  • 地域生活課題の多様化

近年、介護や生活困窮といった福祉制度に直結するような課題だけでなく、一人暮らし高齢者が入院した際のペットの問題や、葬儀や相続の準備などの将来の不安といった福祉サービスなどに直結しにくい生活課題も増えています。

 

  • 多文化共生の推進

外国にルーツをもつ住民の増加によって、多様な価値、生活様式がときに近隣との摩擦や誤解を生んでいます。一方で、価値や生活スタイルの多様性が地域を活性化し、地域の新たな担い手となるような事例もみられるなど、相互理解やたすけあいをすすめることが期待されています。

 

  • 地域貢献・地域公益活動の拡大

「我が事・丸ごと」の地域共生社会を実現するためには、従来の地域福祉活動の主体である住民組織やボランティア・NPOの力だけでなく、社会福祉法人や企業、学校などの力が欠かせません。

社会福祉法人の地域公益活動や企業・学校などの社会貢献についても社会的な関心や期待が高まっている背景を捉えて、これらの利害関係者との協働をすすめるための取り組みやコーディネートが重要になっています。

 

  • 災害に強い地域社会への期待

首都圏において、大地震などの大規模災害が懸念されるなかで、災害時にも地域のたすけあいの絆が維持できるような地域づくりに関心が高まっています。

 

  • ICT(情報通信技術)の進歩 *ICTInformation and Communication Technology

情報や連絡の手段としてスマートフォンが急激に普及し、日常の買い物などがキャッシュレスで決済できるなどの電子情報社会が到来しています。そのようななかでICTを活用した情報共有や見守り、安否確認など注目される動きが出てきています。

 

 

3…計画の位置づけ

4次北区地域福祉活動計画は、誰もが安心して暮らしていくことができるよう、地域住民が主体となって自発的に地域福祉の推進をしていくための活動・行動計画です。

そのため、北社協が地域住民とともに策定する活動計画であり、東京都の『東京都地域福祉支援計画』及び『北区地域保健福祉計画』との連携を図ります。

 

『北区地域保健福祉計画』北区の福祉、保健に関する総合計画

『北区地域福祉活動計画』住民主体による地域福祉の活動計画

『東京都地域福祉支援計画』東京都の福祉分野の各計画の総合的な推進と区市町村への支援を位置づけた計画

 

 

4…計画の期間

4次北区地域福祉活動計画は、令和元年度から令和5年度までの5カ年を期間とする計画です。なお、計画期間中は事業の評価など進行管理を行うとともに、社会経済状況の変化に応じて見直していくものとします。

 

 

5…策定プロセス及び策定体制

地域福祉活動計画策定委員会のもとに策定作業部会を設置し、地域団体へのヒアリングや我がまちふくしミーティングから得られた地域ニーズやこれからの地域福祉活動の取り組みビジョンなどを共有しながら計画を策定しました。

 

 

6…進捗管理

4次地域福祉活動計画は、年度ごとに活動進捗状況ならびに北社協の取り組みに対する自己評価を実施し、地域福祉活動計画等推進委員会に報告を行うことで進捗管理を行います。

 

 

 

第2章…北区の概況

本章では、各種調査や地域団体ヒアリングから得られた課題をもとに、地域福祉活動計画策定の前提となる地域の現状や北区の特徴について記述します。

 

 

1…数字で見る北区の概況~基礎データ編~

①北区の人口と世帯数の推移

北区の人口はこの数年間増加傾向にあり、23区内で11番目に人口が多い区です。しかし年少人口は10%、生産年齢人口は65%と、その割合は23区内で低い水準に位置しています。また、高齢化率は25%です。さらに、高齢者人口に占める後期高齢者の割合が年々増加しており、その割合は平成28年度に50%を超えました。

出典:住民基本台帳(各年度11日現在)より作成【単位:人・世帯】

 

②北区の「身体障害者手帳」「愛の手帳」「精神障害者保健福祉手帳」所持者数の推移

北区の「身体障害者手帳」「愛の手帳」「精神障害者保健福祉手帳」所持者数は微増傾向にあります。人口のおよそ5%にあたる区民が何らかの障がいに関する認定を受け、手帳を所持しています。

出典:北区行政資料集(平成30年度版:各年度331日現在)(H30年度のみ北区福祉事務所だより)より作成【単位:人】

※複数の両方の手帳を所持している人も含みます。

 

アイちゃん誰でも暮らしやすい北区にするためにはどうしたらいいのかな?

 

③北区の外国人人口の推移

北区の人口のおよそ6%を外国人人口が占め、23区内では6番目に高い割合です。なかでも中国籍が46%を占めています。

出典:法務省「在留外国人統計(旧登録外国人統計)」(各年度1231日現在、平成30年度のみ630日現在)をもとに事務局作成【単位:人】

※その他にはフィリピン、ブラジル、台湾、米国を含みます。平成26年度のみペルーも含みます。

※平成26年度のみ韓国に朝鮮を含みます。

※平成26年度のみネパールの数値は算定されていません。

 

アイちゃん北区には外国人が増えてきたよね。なかでもアジア圏の方々が多いんだね!

 

④北区の高齢者のみの世帯の推移

高齢者のみの世帯が増加しています。なかでも単身世帯の割合が高い状況です。

出典:住民基本台帳(各年度101日現在)より作成【単位:世帯】

 

アイちゃん1人暮らしの高齢者の方が多くなっていくと、北区はどうなっていくのだろう?

 

⑤北区の日常生活圏域別の高齢化率、要介護・要支援認定率

小地域ごとに状況はさまざまですが、とりわけ桐ケ丘圏域の高齢化率が高くなっています。また、一見すると高齢化率と要介護・要支援認定率は比例しているようですが、豊島地域については反比例しています。

出典:北区介護保険課資料(平成29101日現在)より作成【単位:%】

 

⑥北区の乳幼児の推移

北区の乳幼児人口は年々増加しています。出生や転入などにより、毎年およそ3,000人の乳幼児が北区で新しく生活を始めていることがうかがえます。

出典:住民基本台帳(各年度11日現在)より作成【単位:人】

 

アイちゃん子どもにとって安心して暮らせる北区って大事だね!

 

⑦北区の合計特殊出生率の推移

北区の合計特殊出生率は全国と比較すると低い水準に位置していますが、東京都と比較すると例年横並びの状況が続いています。

出典:東京都福祉保健局「人口動態統計」より作成【単位:人】

 

ちょこっと確認…「合計特殊出生率」とは?

合計特殊出生率は「1549歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」です。基本的には、1人の女性が一生の間に生むことが見込まれる子どもの数に相当します。

 

⑧北区の児童虐待対応件数の推移(北区子ども家庭支援センター対応分)

北区の児童虐待対応件数が年々増加しています。通報件数の増加など、さまざまな要因が考えられます。

出典:北区子ども家庭支援センター資料より作成【単位:件】

 

ちょこっと豆ちしき…子どもの貧困率について

「相対的貧困率」とは、収入から税金、社会保険料などを差し引いた手取り収入から、世帯人数による影響を調整した、世帯人員1人当たりの所得の中央値の半分の額(「貧困線」)に満たない人の割合をいいます。

 

「子どもの貧困率」とは17歳以下の子ども全体に占める、貧困線に満たない子どもの割合をいいます。

(参考:「平成27年版 子供・若者白書」)

 

⑨北区の町会・自治会加入率の推移

町会・自治会の加入率が年々減少傾向にあります。その背景には、マンションの増加や一人暮らし世帯の増加、外国人の増加など新規の加入世帯の伸び悩みや、加入していた世帯の転出による減少などさまざまな要因があります。

出典:加入世帯/外国人世帯を含んだ住民基本台帳の世帯数(各年11日現在)事務局調べ【単位:%】

 

ちょこっと確認…「町会・自治会」とは?

町会・自治会は、各地域内に住むみなさまによって自主的に組織された団体です。地域でのさまざまな問題解決に取り組むとともに、地域住民の生活環境の向上を目指し活動を行っています。

主に、防犯、防災、交通安全活動、環境美化、リサイクル活動、子育て支援、青少年健全育成事業、地域まつり、親睦会などの行事開催、町会・自治会内の地域情報交換などを行っています。平成304月現在、北区には181の町会・自治会があります。

(参考:北区ホームページ)

 

アイちゃん町会・自治会は季節に応じた地域のお祭りなどを開催してくださっているよね。私もお餅つきや夏まつりが楽しみなんだ!

 

アイちゃんいろいろな数字をみると、北区はほかの区と比べて働き世代の方々が少なくて、高齢者の方々が多い区なんだね。障がいのある方も外国籍の方も、みんなが安心して暮らせる北区になったらうれしいな。

 

 

2…数字で見る北区の概況 ~地域の活動編~

  • 北社協において

3次北区地域福祉活動計画の取り組みの一つとして挙がっていた「車イスステーション」の拡充については、計画策定から5年間の間に少しずつ増加していきました。また、「地域ささえあい活動」についても5年間で大幅に増加しており、北区内の地域活動が拡大していることが伺えます。

 

地域ささえあい活動とは?

北区内の地域の方々が主体的に行う活動です。孤立を防ぐのはもちろん、健康づくりやボランティアなど、現在160以上の団体が活動しています。

 

車イスステーションとは?

地域住民が身近なところで車イスを借り、利用することができるように、町会自治会を中心に車イスの貸出を無料で行っています。

 

ちょこっと確認現在北区では、地域の自主的な食事会や趣味活動、運動活動、見守り活動などのサロン活動が1年間でどのくらい行われていると思いますか?

答え北区内の生活支援コーディネーターの調査(平成30年度)によると、少なくとも400件近くの活動が北区で行われています。

1つの団体が複数の活動をしている場合もあります。【単位:件】

 

  • 北区の赤い羽根共同募金と歳末たすけあい募金の実績(平成30年度)

北区の赤い羽根共同募金の募金額は21,656,991円でした。人口規模が異なるため単純比較はできませんが、この募金額は23区内で上位に位置します。また、歳末たすけあい募金については23,947,848円となりました。北区での地域のたすけあいが盛んに行われていることが伺えます。

 

  • 北区にある子ども食堂の数

子ども食堂の数は、少なくとも全国には3,718カ所、東京都内では488カ所(調査:平成30年度NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ)あります。北区には26カ所(令和元年7月現在、事務局調べ)あり、近年その数は急増しています。子どもの居場所や学習支援の実施、地域の食事会・交流場所など、その形態はさまざまです。

 

アイちゃん子ども食堂が盛んになってきて、北社協でも食品や文房具の寄付が多くなっているよ!

 

◎ここに掲載されている活動などは、北区内の活動のほんの一部です。北区にはそのほかにも趣味活動や健康・居場所づくり、交流活動など、地域住民が主体となってさまざまな活動が展開されています。

 

 

3…地域福祉にかかわる課題例

4次北区地域福祉活動計画は、地域住民や関係機関などの意見を反映させるために、平成30年度に「団体ヒアリング」及び「我がまちふくしミーティングを実施」しました。

 

  • 団体ヒアリング

目的地域課題やニーズ、多様な関係者の想いの把握や課題解決の道筋を探る。

方法北社協職員29人が対象団体に対し個別にヒアリング調査を実施。

対象数社会福祉法人:5件、NPO法人:6件、団体:9件、企業:1件、寺社:1件、弁護士法人:1件、教育機関:1件(計24件)

実施期間平成30103日(水)~平成31115日(火)

得られた意見(抄)

・個別の生活課題が見えづらくなっている

・組織内の後継人材育成

・ボランティア不足(特に男性や平日のボランティア)

・障がいのある人に対する理解が不足している

・子どもの多様な問題に対応できる機関が少ない

・複合的な課題を抱えた世帯への対応がむずかしい

・地域での情報共有に個人情報保護が障壁になっている

・法律関係などの専門機関では人的な問題でアウトリーチに限界がある

・市民後見の担い手が少ない

・活動財源不足

 

  • 我がまちふくしミーティング

目的住民一人ひとりの生活課題を身近な地域課題として捉えることで、住民自ら取り組みに参加し、福祉のまちづくりの推進を図る。

方法それぞれの地区に存在する地域の拠点などで、地域住民、ボランティア団体、福祉関係職員、民生・児童委員、行政職員などを対象に実施。

対象数王子地区、赤羽地区、滝野川地区(計3地区)(参加者計82人)

実施期間平成301130日(金)~平成301221日(木)

得られた意見(抄)

・医療や買い物など日常生活に関する情報交換の場が不足している

・近くに居場所がない

・インターネットの利用が困難

・身近な場所にサロンがない

・リタイアした人のひきこもりがみられる

・一人暮らし高齢者や障がいのある人が多くみられる

・外国出身者との文化や生活の相互理解

・地域とのつながりをどう築いていけばよいかわからない

・多世代の交流が少ない

・移動が不便になると生活に影響が出る

・近所の商店が減って買い物が不便

・個人情報保護の壁を感じる

・地域のリーダー不足

・地域の集まりやイベントの情報がほしい

調査の詳細は資料編に掲載しています。

 

  • 「我がまちふくしミーティング」とは?

地域ごとに住民のみなさんが1カ所に集まり、地域の現状や課題(いいところや困りごとなど)を話しあって把握し、地域の将来像を考えあう場です。

「我がまちふくしミーティング」で出された意見は、第4次北区地域福祉活動計画に反映されるため、自分たちが住み続けたい地域の将来像を実現する手がかりとなります。

 

当日はどのように行ったの?

当日は大きく3つの段階を踏まえ、以下の事柄を中心に話しあいました。

・困っていること

・身近な地域で自分たちができること

・自分たちができることを実現するために専門職や行政に望むこと

 

①地域の困りごとの洗い出し

まずは地域の困りごとの洗い出しです。自分自身がいまどのようなことに困っているのか、いま地域でどのようなことが起こっているのかをお話ししていただきました。

 

②アイデア出し

印象に残った意見や想い、重要だと感じた課題などについて考え、どのような取り組みがあったらよいかなどのアイデアを出しあいました。

 

③グループごとの発表

グループごとに検討した内容を発表しました。それぞれのグループで共通した意見もあれば、異なった視点からの意見などさまざま想いが飛び交いました。

 

どんな人が参加したの?

当日は、ボランティア、大学生、地域ささえあい活動団体、外国人、商店関係者、高齢者あんしんセンター職員、医療関係者、町会・自治会、民生・児童委員、行政職員の方など、分野や年齢問わず、幅広い層の地域住民に参加していただきました。

 

 

 

3章…基本目標と方向性

本章では、第2章で得られた北区の特徴や課題などをもとに、地域福祉活動計画策定委員会・策定作業部会で検討された本計画の体系(基本理念、基本目標、取り組みの方向性)を示しています。そして、地域住民や北社協が取り組む活動、地域の活動事例を紹介しながら、重点項目や取り組みの方向性を地域福祉活動推進のビジョンとして示しています。

 

 

1…計画策定までの流れ

北区の現状・区民からの声

23区でも高齢者の割合が一番高い、なかでも一人暮らし高齢者の割合が増えている

・外国人人口の増加、特にアジア圏からの住民が増えており、文化や生活様式の相互理解が必要になっている

・町会・自治会加入率が減少し、地域の仕事の担い手が減っている

・一人暮らしの方の増加やマンションなどの生活者の増加で、お互いの生活の様子が見えづらくなっている

・平日のボランティアや男性のボランティア、リーダーとなる人材が不足しているように感じる

・地域に居場所のない人が増えているように感じる

・障がい者への理解が不足している

・障がい者が地域に貢献できることについても知ってもらいたい

・地域のサロンや子ども食堂などの住民主体の活動の数は増えている

・身近な生活圏域ごとに地域の課題や社会資源の状況は大きく異なっている

など

 

活動計画策定委員会、部会での議論

・地域の中には、さまざまな理由で生きづらさを感じている人がいる。誰もが安心して暮らせる社会にするためには相互理解が大切

・これまで「ささえられる側」と考えられていた人たちも「ささえる側」になることができる

・一人ひとりの価値や眠っている力を掘り起こして活き活きと暮らせるまちに

・社会福祉法人は地域福祉の活動に連携して取り組むことができる人材や資源を持っていて、区内でも実践事例が出てきている

・これまでの福祉関係者以外にも、学校や企業などが地域福祉推進の重要な役割を担ってきている

・さまざまな課題やネットワークをつなぐ「顔の見えるコーディネート」が大切

・多くの人が自発的に地域に参加したくなるような仕組みが必要

・住民の活動を支援する社協やコーディネーターの役割が重要

など

 

 

2…体系図

4次北区地域福祉活動計画では、基本理念を「誰もが安心して暮らせるまちづくり」とし、それを実現するための基本目標を3つ設定しました。

 

基本理念…誰もが安心して暮らせるまちづくり

①一人ひとりを大切にするまち

②誰もが平等に生きられるまち

③みんなの力でつくる福祉のまち(みんなが参加してつくるまち)

 

基本目標I…一人ひとりが輝くことのできる地域社会の実現

取り組みの方向性1一人ひとりの価値や多様性が尊重される地域社会の実現に向けた取り組みの推進

取り組みの方向性2関心のあることや得意なことなど、それぞれの個性を活かした地域への参加機会の拡大

 

基本目標II…誰もが互いにささえあい、つながり、参加できる共生社会の実現

取り組みの方向性1日常生活に身近な場での相談やたすけあいの拡大

取り組みの方向性2「ささえる、ささえられる」という関係性が固定されない地域づくり

取り組みの方向性3地域の多様な取り組みの「見える化」・情報共有の推進

取り組みの方向性4災害時にも日頃のつながりやささえあいが活かされる仕組みづくり

 

基本目標III…従来の枠を越えてさまざまな可能性が生まれる地域社会の実現

取り組みの方向性1新しい連携や協働をすすめるための地域のコーディネート力の向上

取り組みの方向性2地域課題を解決するための新しい協働の一層の推進

取り組みの方向性3分野やセクターを越えた異なるネットワークがつながることで、新たな可能性が生まれるまちづくり、仕組みづくり

 

 

3…基本理念と基本目標

基本理念…誰もが安心して暮らせるまちづくり

①一人ひとりを大切にするまち

②誰もが平等に生きられるまち

③みんなの力でつくる福祉のまち

いま、地域福祉を充実させるには、一人ひとりが地域福祉の主役として、地域の活動に積極的に参加していくことが重要です。地域のことを最も把握しているのは、その地域で暮らす住民です。地域住民一人ひとりが、普段から、お互いの絆を強め、たすけあっていくことがよりよいまちづくりにつながります。

北社協は「誰もが安心して暮らせるまちづくり」を基本理念として、地域住民とともに地域福祉の推進に取り組みます。

基本理念は、これまでの計画を踏襲しながらも「我が事・丸ごと」の地域共生社会の実現という新たな視点を加え、社会の変動に対応した取り組みをすすめていくためのものです。

 

4次北区地域福祉活動計画の特徴

目指すべき社会像として、「我が事・丸ごと」の地域共生社会の実現をキーワードに、「地域でできること」と「北社協の主な取り組み」を併記しています。

また、これまでの北区におけるさまざまな地域福祉活動の積み上げを可視化するためにも、先駆的な地域の取り組みを先行事例として紹介し、地域での取り組みのイメージを共有しやすいように工夫しています。

また、住民主体の活動計画という性格であること、社会情勢の変化の速度が加速化していることなどから、年度ごとの数値目標などをあらかじめ設定するかたちの進捗管理とはせずに、年度ごとに地域や北社協の取り組みの実績を評価し、地域福祉活動計画等推進委員会にてその進捗管理をしていくこととします。

 

基本目標I…一人ひとりが輝くことのできる地域社会の実現

地域住民一人ひとりが地域の主役として参画していくことが重要であるなか、そこに至るまでにはさまざまな課題があります。例えば、認知症や身体的・知的・精神的障がい、外国籍、性的少数者であることなどの要因により地域生活で生きづらさが生じています。また、地縁組織やボランティア団体などにおいては後継者や担い手不足が生じています。

価値観や生活スタイルが多様化していく現代の地域社会においては、地域で暮らす一人ひとりのさまざまな価値観、生活の仕方などがそのまま認められ、地域への多様な参画の在り方を築いていくことが必要です。

 

基本目標II…誰もが互いにささえあい、つながり、参加できる共生社会の実現

これまで培ってきた地域社会のつながりやたすけあいの力が失われていくことが懸念されています。とりわけ災害時においては、日ごろから気軽に会話・相談できる地域住民同士のつながりが大切です。

そのためには、地域住民同士・団体同士の情報交換・課題解決の機会を拡大し、地域で暮らす誰もが役割を発揮することで「支援される」「支援する」という関係性が固定化されない地域へと推進していくことが必要です。

 

基本目標III…従来の枠を越えてさまざまな可能性が生まれる地域社会の実現

近年、地域社会の持続・発展のため企業や非営利団体などによる社会貢献活動への期待が高まっています。それぞれの主体が役割を発揮し、活動していくことが必要な一方、異なるセクターや多様な分野・業種などが連携・協働することにより、課題解決のための新たな可能性が生じていきます。

そのためには、現在活動している団体や企業などの連携・協働の一層の推進に加え、それに対して働きかけていく専門職や関係者などのコーディネート力の向上が必要です。

 

 

4…取り組みの方向性

基本目標I

取り組みの方向性1…一人ひとりの価値や多様性が尊重される地域社会の実現に向けた取り組みの推進

認知症や身体的・知的・精神的障がい、外国出身であることや性的少数者(セクシュアル・マイノリティ、LGBTなど)であることなどが要因で社会生活に不利益や生きづらさが生じています。誰もが安心して生活できる地域社会を実現するためには、社会的少数者や弱者とみられている人々に対する理解を促進し、一人ひとりの価値や多様性がそのまま受け入れられる社会環境を整備する必要があります。

※性的少数者…セクシュアル・マイノリティと同義。性的指向や性自認などに関してのありようが、性的多数派集団とは異なるとされる人々。LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)など。

 

地域でできることの例

計画策定部会からの声

・町会・自治会などの活動にさまざまなNPOや啓発団体などが参加できるようにする。そのような活動を積み重ねていく

・社会的少数者の人々(外国籍、障がい、性的少数者など)について、知識としてではなく隣人(友人)として理解する

・日々の生活において、あいさつから始めて、地域での多様な人々との交流を深めていく

 

我がまちふくしミーティング

・周囲にいる自分と異なる考えの人々に目を向ける

 

北社協の主な取り組み

・福祉学習の取り組みを推進する(地域主体の福祉学習実践へ)

・北社協媒体を活用した広報・啓発を推進する(『きたふくし』、Facebookなど)

 

活動事例…草の根国際交流の会コアラサークル~多文化理解を促すプログラムの提供~

平成6年より「外国籍の親子同士の仲間づくり」を目的として活動を始めました。

活動開始のきっかけは「北区の日本語講座」で外国人と話をするなかで、同じ参加メンバーと「支援する必要性」を感じ活動が始まりました。

週に一回「外国人の親子が集える居場所」を提供することで、互いの悩みを相談できる「仲間作り」を行っています。保育園や幼稚園に入園するまでの乳幼児を育てている親子が対象の中心です。子どもたちが入園し活動に参加できなくなった後でも、団体を通さず相談しあえる外国人の母親のネットワーク構築の「きっかけ作り」の役割も担っています。

活動の一環として「お互いの国の文化の理解」を目的とした「世界の料理会」も行っています。

「一緒に料理をすることで距離が縮まった気がする!」「日本の人が私の国に対してどういうイメージを持っているか、ちゃんと話をしてみたかった。」「もっと交流する場が必要だね。」

また、正月遊び、日本料理を作る、浴衣の着付け、茶道、華道などのプログラムを企画することで、外国人に日本の文化の紹介と相互理解による交流を行っています。

 

活動事例…RainbowTokyo北区

RainbowTokyo北区は、2017年から北区でLGBT関連の施策を含めダイバーシティ(多様性社会)を推進している団体です。スペースゆう(北区男女共同参画活動拠点施設)を活動拠点として、定期的に交流会や勉強会、イベントを行っています。

平成3010月の株式会社電通調査によると、LGBT人口は8.9%、11人に1人という結果が出ています。そして、当事者の人たちは周囲から性の多様性を理解してもらえないことによる生きづらさや医療・福祉分野など社会のさまざまな場面で困難に直面しながら生活している状況です。

当事者の抱える困難さを可視化しにくいという問題もあり、周囲の無理解によるアウティングで居づらくなってしまうということもあります。

今後、相談者に対応する社協職員や福祉施設職員などへの研修により、相談しやすい環境が整えられることを期待しています。また、いつでも安心して話せる場で、LGBTに関する啓発、勉強会や交流をすることや、北社協のコーディネートにより異なる分野で課題を持ったグループとの交流をしていきたいです。

 

※アウティング…LGBTなどに対して、本人の了解を得ずに、公にしていない性的指向性自認等の秘密を暴露する行動のこと。

 

基本目標I

取り組みの方向性2…関心のあることや得意なことなど、それぞれの個性を活かした地域への参加機会の拡大

地縁組織やボランティア組織などの従来の地域社会を構成してきた多くの現場で、後継者や担い手不足が生じています。価値観や生活スタイルが多様化していく現代社会で、地域の担い手として多くの人々の参画を促すためには、これまでの活動スタイルだけでなく、その人の関心事や得意なこと、楽しくできる活動を活かした地域への参加機会を拡大することが必要になっています。

 

地域でできることの例

計画策定部会からの声

・活動団体は新しい人が活動に加わりやすいような工夫をしていく

・活動団体はメンバーのさまざまな考え方や活動の仕方を尊重し、後継者を育てることで活動が続くようにしていく

・さまざまな人が地域活動(町会・自治会、PTAなど)の担い手になれるよう、さまざまな役割を皆で担っていく

・さまざまな地域活動が次の世代へ受け継がれるよう、世代を越えて参加者を募り、ともに成長していく

 

北社協の主な取り組み

CSW(コミュニティソーシャルワーカー)や生活支援コーディネーターの支援による地域の場や社会資源の創出を行う

・子ども支援などによる活動立ち上げやコーディネートの支援を推進する

 

もっとあった!地域からのこんな意見!

互いにいい環境をつくるため、似ている人を集めて会を開く…おちゃのこ祭祭2019参加者(中学生)より

アイちゃん…好きなことがいっしょだと、より楽しい活動が生まれるかも!!

 

活動事例…あすか子ども食堂

あすか子ども食堂は、精神障がいのある人が社会に出て活動する場をつくり、障がいの有無にかかわわらず、互いの大切さを認めあえる社会とするための集いの場「サクラティーズ」が北区西ケ原・飛鳥山公園の近くで始めました。

サロン活動、芸術活動(音楽、絵画)などを中心に活動し、春と秋に行われる芸術祭では障がいがある人のユニークな芸術作品が展示されており、同時に音楽や詩も披露され地域に公開されています。「あすか子ども食堂」は、サクラティーズの代表者が運営するグループホーム入居者と、地域の大人、子どもとの交流の場にもなっています。子ども(18歳まで)の参加は無料で、精神障がいがある人など地域住民もボランティアとして活躍しています。

 

活動事例…赤羽ベーゴマクラブ

幼稚園にメッキ工場からベーゴマの寄付をいただいたことをきっかけに団体が立ち上がりました。昔遊びであるベーゴマは奥が深く、巻き方やコマの削り方など、それぞれが得意なことを伸ばしながら活動を行っています。月に一回さまざまなルールのベーゴマ大会を開き、ベテランも初心者も優勝できるような大会にするなど、仕組みづくりに工夫を凝らしています。

普段なかなか“輝ける場”がない高齢者も、とても上手にベーゴマを回して子どもたちのヒーローになることや、人と接することに難しさを感じてしまう人もコマに得意な絵を書いてもらう活動をしていただくこと、聴覚障がいがある人もベーゴマを回し、練習して強くなるなど、一人ひとりの得意なことを活かしながら活動に参加し、輝くことができる場所になっています。

地域住民に存在を知って参加してほしいと思っています。

 

 

基本目標II

取り組みの方向性1…日常生活に身近な場での相談やたすけあいの拡大

現在、多様な機関、相談窓口が整備され、支援が行われていますが、将来の不安や、ちょっとした生活の困りごとに対しては、その人の日常生活圏域を中心とした小地域で気軽に相談できる住民同士のつながりや、たすけあいの活動の場を展開していく必要があります。

 

地域でできることの例

計画策定部会からの声

・相談ごとがあるとき、地域住民が直接専門機関に行くにはハードルが高いが、サロンでお茶を飲みながらなら困りごとの話ができることもある

・ボランティアによる買い物支援などのちょっとしたささえあい活動の仕組みづくりを行う

 

北社協の主な取り組み

・地域ささえあい活動助成、活動支援を推進する

・小地域福祉活動拠点の設置・運営(谷田橋サロン、しもぞうハウス)を推進する

・子ども食堂などの活動支援を推進する

CSW(コミュニティソーシャルワーカー)による地域ニーズの発見、住民の組織化、活動立ち上げ支援を行う

・地域福祉の担い手の養成などの検討をする

・地区担当制の活動を小地域活動の実態把握や支援活動に活かす

・友愛ホームサービス、ちょこっとささえ愛サービスのスタッフを拡充する

 

活動事例…友愛ホームサービス~地域住民のみなさんの「ささえあい」~

このサービスは、高齢者や障がいのある人などの自立生活を支援する有償の在宅福祉サービスです。たくさんの地域住民のみなさんがサポートスタッフ(以下、スタッフ)として活躍しています。

 

スタッフの声

友愛ホームサービスでは、スタッフが援助しつつ、ご利用者ができることは行っていただいているので、ご本人の自立につながっていると思います。

むずかしいことではなく、自分のできることで誰かのお役に立てることが嬉しいし、活動することで元気になります。

 

活動事例…神谷・東十条地区でのささえあい活動の広がり

平成27年度に神谷・東十条地区にCSW(コミュニティソーシャルワーカー)がモデル配置され、地域住民のみなさんとかかわるなかで、新たな住民主体の活動が生まれました。困りごとをもつ人の相談をきっかけに立ち上がった「居場所」や「地域の課題に対して私たちができることをしたい」との住民の想いから取り組みが始まったものなど経緯はさまざまです。

「たすけあいの場の必要性」や「地域にどんな課題があるか」などについて地域住民のみなさんと話しあうことで、「居場所づくり」などささえあい活動が圏域内に広がってきています。

 

基本目標II

取り組みの方向性2…「ささえる、ささえられる」という関係性が固定されない地域づくり

高齢者や障がいがある人などを一方的に支援が必要な存在と決めつけず、意欲や能力に応じて社会の担い手として活躍できる機会を創出する取り組みが必要となります。誰もが役割や誇りを持ち、喜びを持って参加できる地域社会とするために、寄付やボランティア活動などを通じて誰もが参加できるささえあいの地域づくりを推進します。

 

地域でできることの例

計画策定部会からの声

・誰もが役割をもって参加できる場づくり。たとえば使用済み切手の寄付をもってきていただいた人を切手整理ボランティアグループにつなぐことや、サロンなどで利用者とともに行うなど、誰でも担い手になれることを知ってもらう

・ボランティア団体や、仲介組織によるボランティアコーディネート活動を実施する

・町会・自治会とボランティア団体が協働して行う募金活動や寄付集めを実施する

 

北社協の主な取り組み

・地域団体と連携して高齢者や障がいがある人によるボランティア・社会貢献活動の機会創出を拡大する

・市民後見人の養成などの住民による権利擁護の取り組みを推進する

・共同募金北地区協力会とともに地域福祉のための募金活動を推進する

・社協会員になることや寄付を通じて、地域福祉推進に参加できることの理解促進のための周知活動を行う

・生活困窮者支援の相談などで、当事者経験のある地域住民がアドバイスを行える機会創出を検討する

 

もっとあった!地域からのこんな意見!

地域で開かれるまつりの手伝いなどをして、子どもから高齢者まで、楽しめる空間を盛り上げる…おちゃのこ祭祭2019参加者(中学生)より

 

活動事例…不登校・ひきこもりの自主家族懇談会「赤羽会」

不登校・ひきこもりの子どものことで悩んでいる家族がささえあい、学校・社会参加の実現を目指し、理解と対応を話しあう会です。同じ悩みをもつ人々が悩みを吐露し、つながりを深め、専門職やピアサポーターを講師として招き、理解や対応を学ぶ機会をつくっています。また、北社協と商店街が共同開催する「谷田橋サロン」で、当事者本人を中心とした地域での居場所づくりも行っています。一人で悩まない環境を提供することで、家族も不登校・ひきこもり本人も安心感が得られ、社会参加へ向けて動き始めることのきっかけになっています。

冊子43ページにも「赤羽会」さんの記事が掲載されています。あわせてご覧ください!

 

※ピアサポーター…ピアサポーターとは、同じ症状や悩みを持ち、同じような立場を経験した人が、自らの体験を活かし、相手をささえる側になって活動している人を言います。

 

活動事例…共同募金~募金は「じぶんの町をよくする仕組み」~

北社協は「赤い羽根共同募金」と「歳末たすけあい・地域福祉募金」という2つの募金運動の事務局を担っています。赤い羽根共同募金は「福祉施設の応援」、歳末たすけあい募金は「地域福祉活動の推進」が目的です。

 

赤い羽根共同募金

・施設の修理や備品整備

・施設利用者の宿泊研修や地域との交流事業など

 

歳末たすけあい・地域福祉募金

・北区の地域福祉活動をする団体(赤ちゃんサークルや子ども食堂などの子育て支援、地域の方々が集う場所づくり、同じ障がいがある人のグループなど)への助成

・北社協が実施する地域福祉活動事業(車イスステーション事業、高齢者紙おむつ支給事業、福祉学習プログラムなど)

 

北区では例年、2つの募金をあわせて4,000万円を超える募金を集めていただいています。北社協は事務局として、募金を通じた「誰もが安心して暮らせるまちづくり」を目指していきます。

 

基本目標II

取り組みの方向性3…地域の多様な取り組みの「見える化」・情報共有の推進

急速な社会の変化が地域の課題やニーズの変化に大きな影響を与えています。生活困窮や社会的孤立などの問題解決の手法として、地域の居場所・サロン活動や子ども食堂などが急速に拡大しているなかで、同じ悩みや課題をもつ団体同士の情報交換やノウハウの共有が求められるようになっています。また、相談件数や対応内容などの実践データの可視化などの推進に取り組みます。

 

地域でできることの例

計画策定部会からの声

・情報サイトへの参加やSNSなどの利用に関する研修を行う

・見守りシステム導入の検討をする

・ボランティア団体同士が、日頃から交流できる関係をつくることにより、お互いの理解が深まり、ボランティアが足りないときなどに協力しあう

・地域に住む外国人と地域がつながるためにSNSなどを活用し、それぞれの文化や困りごとなどを共有しあう

 

北社協の主な取り組み

・『きたふくし』、Facebookなどの広報媒体の特性に応じた活用方法や、外部の媒体などの社会資源の活用について検討する

・各種ネットワーク、おちゃのこ祭祭などでの交流・情報交換を推進する

ICT活用による情報共有の仕組みに関する検討を行う

・地域住民・活動団体などのネットワーク化支援を推進する

 

活動事例…「TOKYO北区の子ども食堂ガイド」など民間の見える化の取り組み紹介~市民活動の地域発信(情報の見える化)~

北区内には令和元年7月時点で26カ所(事務局調べ)の子ども食堂が運営されています。子ども食堂は地域の大人との交流、おいしい食事の提供、孤立・孤食防止など、それぞれの団体がさまざまな思いから運営をされていますが、「子ども食堂」は「困窮世帯の子どもが行く所」といった誤解も一部あります。子ども食堂に来ている子どもの多くは、「みんなで食べる楽しみ」「地域の大人との交流」などを楽しみに来ていることなども知ってもらいたいということに加え、北区内で「子ども食堂」を運営している団体(店を含む)の情報交換や交流を目的とし、これから「子ども食堂」を立ち上げる団体を応援して「子ども食堂」の輪を広げるため、「北区子ども食堂ネットワーク(以下、ネットワーク)」が食堂運営者からの呼びかけで立ち上がりました。

ネットワークでは北社協が事務局となり、「TOKYO北区の子ども食堂ガイド(以下、ガイド)」を発行し、区立保育園、小学校などへ配布し、理解促進などに努めています。ガイドを発行することで子どもたちがアクセスしやすいことや、掲載されている団体がネットワークに登録されていることは、参加者にとっての安心感にもつながり、地域や区外の企業、個人からの寄付も増えています。

 

活動事例…社会資源である地域にある居場所などの活動を「見える化」する取り組み

地域活動の情報をわかりやすくまとめた冊子や季刊誌が発行されています。

・『北区シニアお助け地域ガイド居場所編』

各地域の高齢者あんしんセンターの生活支援コーディネーターが調べた居場所活動の情報が冊子にまとめられています。

(発行:高齢者あんしんセンター、北区社会福祉協議会、北区健康福祉部長寿支援課)

・『北区地域ささえあい活動ガイド』

北区で居場所活動や出張講座などの活動をする団体の活動概要をまとめた冊子です。

(発行:北区社会福祉協議会)

・『季刊誌ぷらっとほーむ』

介護予防拠点施設ぷらっとほーむでは、身近な地域の仲間が集まり体操を行うグループの紹介や介護予防に関する情報を掲載した季刊誌を発行しています。

(発行:北区社会福祉協議会)

 

基本目標II

取り組みの方向性4…災害時にも日頃のつながりやささえあいが活かされる仕組みづくり

大規模災害の発生によって避難所生活や仮設住宅への移転とともに、これまで培ってきた地域社会のつながりやたすけあいの力が失われることが懸念されています。これまで培ってきた地域社会の絆やたすけあいの活動が、災害時にも持続できるような取り組みが必要となります。

 

地域でできることの例

計画策定部会からの声

・ボランティア団体が日頃行っているスキルを活かして、災害時に地域の人の居場所となるサロン活動を行う

・日頃から地域の町会とボランティア団体の顔が見え、活動内容が把握できているとスムーズに活動を行うことができる

・子どもたちが大人や高齢者から「生活の知恵」や「防災意識」を学ぶことにより、災害時には子どもたち自身が避難所などをささえる力となる

 

北社協の主な取り組み

・災害ボランティアセンター設置運営訓練、災害時相互支援のネットワークづくり、被災地支援の体制整備などを実施する

・災害時の情報集約、活用方法の検討を行う

 

活動事例…北区災害ボランティアセンター

東京都北区、北社協、NPO法人東京都北区市民活動推進機構の三者で締結した「災害時におけるボランティア活動に関する協定書」に基づき、センターの啓発、人材育成、人材発掘を目的として「北区災害ボランティアセンター事業」を行っています。平成30年度は、「災害ボランティアセンターの現場を体験してみよう」をテーマに実施しました。

 

活動事例…合同防災委員会(帰宅聴覚障害者協会、ほか2団体)

北区に住む聴覚障がいのある人が災害時に安心して行動し生活できるように、北区聴覚障害者協会・北区手話サークル・北区登録手話通訳者会が合同で防災委員会を立ち上げて活動をしています。

①おちゃのこ祭祭にて防災コーナーを設け、当事者の困ることなどをお伝えしています。

②年一回地域防災交流会を開催し、聴覚障がいのある人を取り巻く防災について学んでいます。どなたでも参加できます。

③聴覚障がいに対する理解を深めてもらうために各地域の避難訓練に参加しています。聴覚障がいのある人の特性にあった「北区聴覚障害者防災マニュアル」作成も行いました。

 

 

コラム…他の地域や機関で取り組まれている事例や提案をご紹介します。

コラム…ICT活用による情報共有の仕組みづくり

インターネットが普及し始めてから、個人の情報発信や他人との交流がずいぶん容易になりました。個人の利用形態もパソコンから、スマートフォンへと大きく変化し、今日ではICTサービスが多くの人に利用されています。医療・介護、住まい、生活支援など多様なサービスにおいてICTが導入されており、災害などの緊急時から日常的な見守り・支援などあらゆる場面に広がっています。

 

  • 一部の自治体では、区域内で活動するさまざまな分野の団体、サークルなどの情報を集め、活動の紹介、メンバー募集やイベントの案内などを自ら発信、検索できる場(サイト)を提供しています。

また、民間の地域SNSアプリを活用して行政情報を住民に直接配信できるようにしている自治体もあります。これまで民間の情報と行政情報を別々に取得しなければならなかったのが、これにより関連情報も含めてリアルタイムに一挙に取得することができるようになりました。

  • 近年の大地震の際、行政(地域包括支援センター、民生・児童委員など)による要配慮者宅への安否確認完了まではかなり時間を要しました。今後も要配慮者は増えていきます。

マンションや地域で1000カ所を超える実績がある『災害時ICTサービス』(ゆいぽた)はその課題解決ツールとして注目されています。災害時だけ要配慮者の存在情報を提供することで地域住民による安否確認を促し行政の負担を軽減します。また、住民同士の連絡機能や掲示板、お知らせ配信機能などを持ち、情報共有による共助の醸成を図ることができます。

※実績・機能などは株式会社テンフィートライトが提供しているサービスによるものです。

 

 

コラム…災害に負けないささえあいの地域へ~倉敷市の事例~

  • 北社協と倉敷市社協のつながり

平成3075日から降り続いた大雨は岡山県倉敷市に甚大な被害をもたらしました。特に、倉敷市真備地区は小田川とその支流が決壊し広範囲の浸水被害が発生、未曾有の大災害となりました。北社協は、被災地の復旧活動に従事するボランティアの方々の送迎用に車両を倉敷市社協に無償で貸し出しました。

 

  • 倉敷市の復興

北社協と車両の貸与によりつながった倉敷市社協の代表の方から、災害時の地域の絆やたすけあいの活動の事例を伺うことができました。避難生活でばらばらになった地域の絆をとりもどし、地域を再構築するためには、心が満たされる場や出会いのきっかけづくりが大切となってくること、そうした場づくりには、キーパーソンの発掘が重要となってくること、活動を楽しみながら行うことが活動継続の原動力になっていることなど、災害を経験した方から直接語られる言葉には、大変重みがありました。また、災害時に地域でのささえあい活動が円滑に行われるためには、日常生活を行う上での挨拶、声かけ、見守り、通いの場などから生まれた「なじみの関係」がベースとなるというお話も伺いました。災害が起こらないようにすることはむずかしいですが、日頃からの「備え」、日常の暮らしのなかで地域の気になる方を「見守り」、災害発生時には、地域のつながりのなかで「ささえあう」、災害に負けない地域づくりを進めていく重要性を改めて認識しました。

 

  • 倉敷市真備地区被災状況

・真備地区…4,400ヘクタールのうち1,200ヘクタールが浸水

全壊4,645棟、大規模半壊・半壊847

 

・真備地区住民(平成30719日)

世帯数8,968世帯、人口22,683人、市補助金対象サロン22カ所(うち、災害時要援護者台帳登録数5,353人)

 

  • 倉敷市災害ボランティアセンターへの支援

平成308月に北社協では、倉敷市社協の災害ボランティアセンターを支援するために、車両1台を9カ月間無償貸与しました。

倉敷市では、真備地区など広範囲にわたり被害があり、大勢のボランティアをどのように各活動場所に移動してもらうかが大きな課題になっていたそうです。大きなバスなどが入っていけない地区も多く、今回貸与した10人乗りのワゴン車でボランティアの送迎などが効果的に行えることが期待されていました。

車両貸与は小さな取り組みですが、連日の炎天下の中、水害からの復旧、復興を目指す地域住民とそれを支援するボランティアの人々に、北区からの応援メッセージになっていたらと思います。

 

 

基本目標III

取り組みの方向性1新しい連携や協働をすすめるための地域のコーディネート力の向上

従来の地縁組織に加え、ボランティアやNPO、コミュニティビジネスや営利・非営利の法人による社会貢献活動など、地域活動の多様な主体同士の連携の期待は高まっています。実際に新しい連携や協働を実現し、活性化するためには、地域社会で人々や組織とつながり、働きかける専門職や関係者などの地域全体のコーディネート力を向上する必要があります。

 

地域でできることの例

計画策定部会からの声

・さまざまなネットワークが接点を持つ場を増やし、顔がみえる関係をつくる

・社会福祉法人や事業所が合同の研修の場などを増やすことによって地域の課題を共有する

SNSなどで地域団体がお互いの活動や情報を共有する

 

北社協の主な取り組み

CSW(コミュニティソーシャルワーカー)・生活支援コーディネーターによるコーディネート力を活かすための体制整備を推進する

・社会福祉法人の地域公益活動の地域ネットワークを推進する

・コーディネート力向上のための地域向け研修会や情報交換を実施する

・職員のコーディネート力向上のための教育や人材育成を強化する

 

活動事例…社会福祉法人部会~社会福祉法人による地域貢献ネットワーク~

平成288月に北社協の内部組織として社会福祉法人部会を設置し、北区内で社会福祉事業を展開する21の社会福祉法人(令和元年7月現在)が参加しています。発足当初は北区内の法人が連携して取り組める地域公益活動について情報共有や意見交換を行い、平成30年度からは高齢福祉、障がい福祉、保育の事業所の代表からなる幹事会を設け、各種別法人・事業所の独自の取り組み状況についてアンケート調査を行うなどの地域公益活動の推進の検討を行っています。

 

活動事例…生活支援コーディネーター

CSW(コミュニティソーシャルワーカー)が配置されている桐ケ丘地区では、CSWとともに新しい仕組みづくりに取り組んでいます。

生活支援コーディネーターは「おたがいさまの地域づくり」を目指し、地域に不足するサービスの創出、担い手の養成、高齢者の活躍の場の確保などを行う役割です。

区内17カ所の高齢者あんしんセンターに1人ずつ配置されている「見守り/生活支援コーディネーター」が、町会・自治会、民生・児童委員、ボランティア、関係団体、施設、事業所などと連携・働きかけをしながら、地域づくりを進めています。

 

基本目標III

取り組みの方向性2…地域課題を解決するための協働の一層の推進

地域課題解決のために地域の連携や協働が重要です。協働を推進するために新たな機会創出や具体的な連携づくりなど一層の推進の取り組みを行います。

 

地域でできることの例

計画策定部会からの声

・社会福祉法人が人材育成など共通したことをいっしょに行うことで連携・協働の基盤をつくる

・小地域で地域住民や地域団体が主体になって地域課題を共有する場をつくる

 

北社協の主な取り組み

CSW(コミュニティソーシャルワーカー)による連携促進、活動立ち上げ支援を行う

・多様な専門職によるネットワークづくりを推進する

・新たな協働を創出するため、社会福祉法人部会の取り組みを推進する

 

活動事例…桐ケ丘サロンあかしや~3つの社会福祉法人の協働によるサロンの開設事~

桐ケ丘団地は住民の高齢化率が高く、商店街もシャッター街となっています。そのような現状を見て「障がいのある人が高齢者も商店街もささえたい」という想いをもとに、社会福祉法人ドリームヴイは商店街にカフェレストラン「長屋」を開設しました。

さらに地域の高齢者支援を行っている社会福祉法人東京聖労院、北社協に声をかけ、フリースペースとして「桐ケ丘サロンあかしや」を開設しました。現在は地域・子ども食堂の機能をもつ「みんなの夕はん処」、商店街と共催でビアガーデンなど、イベントも開催しながら地域のみなさんと福祉のまちづくりを推進しています。

 

活動事例…赤北マルシェ

赤羽北地域において、高齢者・障がいがある人などの垣根を越えた地域課題の解決と地域づくりを目指し「赤北マルシェ」が開催されています。地域の高齢者から、日常的な買い物に不便さを感じているというニーズに応え、このような「移動販売」を実施することにしました。

今後は、さらに参加者のニーズを聞き取り、地域住民を含め対象や内容も検討していきたいと考えています。

 

赤北マルシェとは…社会福祉法人さざんか、赤羽北高齢者あんしんセンターの二者が、就労支援として区内の障がい者団体がつくるパンやクッキー、おせんべい、小物などの製品を移動販売しています。

 

基本目標III

取り組みの方向性3…分野やセクターを越えた異なるネットワークがつながることで、新たな可能性が生まれるまちづくり、仕組みづくり

新たな地域課題に対し分野や領域に捉われず丸ごと受け止め、解決に向かうためには、これまで課題解決の主体であった分野別の対応だけでは解決が困難になってきています。そこで、従来の分野やセクター間の連携を越えたつながりによって新たな解決の可能性を生み出すための取り組みが必要になっています。

 

地域でできることの例

計画策定部会からの声

・子どもの体験学習や社会とのつながりに課題がある大学生などをサポートするために地域・福祉・大学が連携して取り組めるアクションを検討する

SDGs(持続可能な開発目標)のゴールに地域で取り組むために企業と大学・地域団体が連携する機会をつくる

・障がいのある人への理解を進めるために、地域・福祉・企業・芸術などの分野を越えた協働でのイベントを実施する

 

北社協の主な取り組み

CSW(コミュニティソーシャルワーカー)などによる異なるネットワークのコーディネートを促進する

・子ども支援を基盤にした新たなネットワーク交流を実施する

・分野やセクターを越えたネットワークによる合同情報交換会を実施する

・分野やセクターを越えたフードドライブ・フードパントリーの取り組みをすすめるための啓発活動を行う

・企業などと寄付つき商品の開発や福祉製品のブランディングに関する検討を行う

・企業・大学などとの協働による子どものキャリア学習の実施を検討する

※フードドライブ…家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、それらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンクなどに寄付する活動。

※フードパントリー…食品支援が必要な時に、誰でも食品が受け取れる場所。

※ブランディング…ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。

 

活動事例…企業提供の拠点での学習支援(越野ヴェージュコミュニティスペース)~企業と地域活動の連携~

「越野ヴェージュコミュニティスペース(以下、コミュニティスペース)」は、もともとマンションのモデルルームとしてつくられ、その後は越野建設株式会社社内の会議などで利用されていました。社長の越野氏は、資源を地域にも活用できないかと考え、町会の催しや会議などでの利用のために地域にコミュニティスペースを開放するとともに、区内の小学生対象の学習支援活動、子ども食堂として活動する「寺子屋子ども食堂・王子」に向け、週に数回活動場所の提供をしています。

越野建設株式会社の取り組みは、企業のCSR(企業の社会的責任)として、新たに企業側が負担して社会貢献をするだけでなく、すでに持っている資源を社外の活動に活用することで、自社のブランディングと地域への社会的貢献を同時に行える、win-winの関係をつくるモデルにもなっていくことが期待されています。

会場となるコミュニティスペースでは、毎週賑やかな子どもの声が聞こえてきます。

 

活動事例…大学が拠点と人材で協力した学習支援事例(東京福祉大学心理学部 王子キャンパス)~大学の地域参加~

東京福祉大学心理学部の学生有志が、王子キャンパス内で地域の小学生を対象とした学習支援教室を開催しています。

地域の子どもたちが安心して居心地よく学べる場を提供したいと、学生、教員、北社協などが何度も打ち合わせを重ね、地域の町会長などの協力も得ながら開室しました。学習支援教室では単に勉強を教えるのではなく、参加する「子ども」「大学生」などの交流にも重点を置き、ともに学びあう楽しさを知る場になっています。また、大人よりも自分たちに近い存在である大学生とのかかわりが、参加する子どもにとってのロールモデルにもなっています。更に学生は4年で入れ替わるため、後進の育成にも配慮し学生リーダーが後輩に対して人材募集のための活動紹介を行うなど、活動継続のための工夫にも配慮しています。心理学部の学部長も「地域貢献は大学にとっても命題になっています」との話をされ、最近では近隣の福祉、医療団体と連携して子ども向けのワークショップなども積極的に行っています。

※ロールモデル…自分にとって、具体的な行動や考え方の模範となる人物のこと。

 

 

コラム…ひきこもり状態から地域参加へ~「赤羽会」の取り組みから考える~

令和元年5月に、神奈川県川崎市で発生した無差別殺傷事件(通称「川崎殺傷事件」)の報道姿勢について、KHJ(全国ひきこもり家族連合会)など、当事者団体、支援団体が相次いで「ひきこもりと犯行を結び付けないで欲しい」などの声明を発表しました。

実際にひきこもり状態にある方の犯罪率は低いのが現状で、“ひきこもり=犯罪者予備軍といった偏見をなくすことと同様に、ひきこもり状態にある人が地域参加できるように支援していくことが大切です。今回、「不登校・ひきこもりの自主家族懇談会 赤羽会」(以下:赤羽会)の市川氏に地域住民ができるひきこもり支援について伺いました。

 

赤羽会副会長市川氏に訊く

ひきこもりからの回復には、最も身近な家族との信頼関係の構築が必須です。ご本人のひきこもり状態を否定せずに受けとめ、信頼関係を再構築し、そのうえで、一歩を踏み出すために背中を押すことが肝要と考えます。これらの各プロセスには専門家のアドバイスが大切で、地域の社会資源の活用と連携を積極的に進め、ご本人及び家族の気持ちに寄り添いながら、ひきこもりからの回復を目指していきます。回復の過程においては、居場所としてサロンなどで地域の方とご本人が交流することにより、甘えている、怠けているなどのひきこもりに対する偏見がなくなり、社会参加のしやすい地域づくりの第一歩になります。身近な場所に居場所を開設し、北区全体に普及したく思いますので、みなさまのご支援、ご協力をお願いいたします。

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川崎殺傷事件とその後の事件

登校中の小学生らを襲撃した後に自殺した容疑者(当時51歳)が、長年にわたりひきこもり状態だったとの報道があり、更に事件から3日後東京都練馬区で、元官僚で農林水産省の事務次官を務めた男性が長男を刺殺する事件が発生し、殺人の動機について元官僚の男性は、「川崎の事件を見ていて自分の息子も周りに危害を加えるかもしれないと不安に思った」という趣旨の供述を行った。

 

 

コラム…民生・児童委員、民生児童委員協議会への期待~東京らしい“地域共生社会づくりのあり方について(最終まとめ)より~

民生・児童委員のみなさんは、これまでも住民の一番身近なところで支援を必要とする地域住民や地域の福祉課題に親身になって寄り添ってきました。しかし、いわゆる8050やダブルケア、ごみ屋敷やひきこもりなど、今日では課題が複雑化・困難化し、個々の力だけでは対応がむずかしくなりつつあります。

そこで、東京都社会福祉協議会・地域福祉推進検討ワーキングの最終まとめでは、近隣の民生・児童委員同士がチームになって動くことの重要性が提言されています。チームを組むことでこれまで対応がむずかしかったケースへの支援や「つなぐ役割」だけでなく、継続した支援も可能となります。

また、これからの地域共生社会づくりにおいて民生・児童委員のみなさんと社会福祉法人はともに、かけがえのない貴重な存在であり、今後は両者がそれぞれの強みを活かし密接に連携し、さらに大きな役割を果たすことが期待されます。そこで、民生児童委員協議会、社会福祉法人の地域ネットワーク、地域福祉コーディネーターの三者が連携・協働体制をとるチーム方式の地域福祉推進体制の構築~「東京モデル」を提起しています。

8050…主に50代前後のひきこもりの子どもを80代前後の親が養っている状態のことをいいます

※ダブルケア…子育てと親や親族の介護を同時期に行っている状態のことをいいます

※地域福祉コーディネーター…地域福祉コーディネーター、コミュニティソーシャルワーカー、相談支援包括化推進員など

詳しくは次ページをご参照ください

 

 

5…重点項目

基本目標達成のために、北社協が重点的に取り組む項目です。

 

重点項目1…地域ごとの連携をすすめるためのコーディネート機能の強化

地域には孤立による課題や既存の制度やサービスだけでは解決が困難な福祉課題があります。それらの課題の把握や解決には、地域住民や地縁団体、福祉専門職、関係団体が課題を「我が事」として捉え、連携していくことが重要です。こうした連携を進めるための調整役として期待されているのがコミュニティソーシャルワーカー(CSW)です。

 

CSWの役割…制度の狭間で困っている方や、既存の公的な福祉サービスでは十分な対応がむずかしい方に対して、地域や関係機関と連携しながら、解決に向けた取り組みを行う役割です。

 

1…地域で困りごとを抱えた方の支援→個別支援

制度の狭間で解決しづらい生活課題に対し行政や専門機関、学校、地域団体と連携しながら支援を行います。

2…地域の居場所づくりのお手伝い→地域支援

居場所づくりなど地域の課題を住民主体で発見し解決できるようにするためのお手伝いをします。

 

  • CSW活動事例「Aさんの支援から始まった居場所づくり」

立ち上げのきっかけは個別支援

家の中が荷物で溢れ、布団を敷いて寝ることもままならない状態の神谷にお住いのAさん。民生・児童委員、地域住民、高齢者あんしんセンターと連携し、片付けを行い、介護保険のサービスにはつながったが、孤立している状態に変わりはなく、地域とのつながりを深める「何か」が必要。地域で何ができるのか?

 

「居場所」立ち上げに向けた準備を開始

Aさんの支援に関わった民生委員さんが中心となり、話し合いをする中で「Aさんのような虚弱な方でも参加できるサロンが必要ではないか」ということに。

サロン立ち上げに向けて準備スタート!会場と運営を手伝ってくれる人をどうするかが課題。

 

CSWは集会所の他にも会場となる場所がないか、運営に関わってもらえる人材はいないか、地域や関係機関と課題共有しながら、働きかけを行いました。

 

課題をクリアして、ついに居場所が誕生

2018年1月、みんなのサロン「ラララかみや」がオープンしました。

会場は地域内の障がいがある人を支援する施設が貸してくれることに。

運営は施設周辺にお住いの方や施設の利用者さんが関わってくれることに。

研修先を探していた大学生にも声をかけ、チラシもつくってくれました。

Aさんの居場所」として生まれたサロンは「地域の高齢者の居場所・見守りの場」となり「障がいがある人にとっての地域交流の場」にもなりました!

 

  • みんなでささえあえる「我が事・丸ごと」地域共生社会の実現を目指して

上記のAさんのような困りごとを抱えた方に寄り添い、困りごとを解決することや、その支援をきっかけとして、居場所やちょっとした困りごとをたすけあうような仕組みをつくるには、小地域を担当する専任の職員(ワーカー)が必要です。

そして、子どもから高齢者まで、すべての世代からの相談を受け、住民や関係団体・機関、専門職、行政などと連携しながら困りごとの解決を図っていく役割はCSWにほかなりません。

今後、このCSWは一つひとつの相談や声に耳を傾け取り組み、また、これらCSWの役割をより多くの方に知っていただくために、取り組みの「見える化」もしていきます。それとともに、これまでの取り組みを検証し、まずは3地区への配置を目指し、その後は区と協議しながら事業の充実を検討していきます。

 

重点項目2-1…分野ごとの連携を深め、分野・セクターを越えた新たな連携をすすめる~社会福祉法人による地域公益活動の取り組みの推進~

地域福祉の新たな担い手として、社会福祉法人の地域公益活動に期待が高まっています。

従前からも多くの社会福祉法人は、地域におけるさまざまな課題に制度の枠を超えて柔軟に対応してきましたが、平成28年の社会福祉法の改正により、すべての社会福祉法人に「地域における公益的な取組」を行うことが責務化され、社会福祉法人のもつ人材や資源、専門性などを地域福祉の推進に活用することが期待されています。北区においても、北社協の内部組織として社会福祉法人部会を設置し、地域公益活動の推進のためのネットワークを強化しています。

 

  • 都内における地域ネットワーク化の状況

平成30年度末現在、北区を含む都内38地区で地域公益活動の地域ネットワークが立ち上がっており、複数の法人が連携して相談事業や社会資源情報の提供、フードドライブなどのさまざまな取り組みを実施しています。

 

  • 『地域における公益的な取組』の解釈の明確化

厚生労働省は平成301月に、平成286月の通知の内容を改正しました。下記の要件について、直接的に社会福祉に関連しなくても、間接的に社会福祉の向上に資する取り組みを含めるとともに、支援が必要な者が直接的のみならず間接的に利益を受けるサービスや取り組みについても一定の範囲で対象に含めるなど、弾力化を図りました。

①社会福祉事業又は公益事業を行うに当たって提供される福祉サービスであること

②対象者が日常生活又は社会生活上の支援を必要とする者であること

③無料又は低額な料金で提供されること

 

  • 社会福祉法人の地域ネットワークの機能と活動例

社会福祉協議会や民生・児童委員、地域関係者などとともに地域ニーズの把握や情報・課題を共有する取り組みのなかで、1法人単独で取り組む以外にも、地域や法人・事業所の実情に応じて近隣の複数法人や地域の全法人が一斉に取り組むなどさまざまな活動スタイルの構築が推進されています。

 

  • 北区の社会福祉法人部会の議論の進展、今後の取り組みの方向性

北区では、平成28年度に北社協の内部組織として社会福祉法人部会を立ち上げ、勉強会、情報交換などの取り組みをすすめてきました。平成30年度には各施設分野の代表者による幹事会を立ち上げ、地域公益活動の推進の考え方や方向性の検討を行い、各施設の現状の取り組みに関するアンケート調査も実施しました。今後は、近隣の複数法人(施設)による地域公益活動のモデル的な取り組みの実績を積み上げることで、徐々に地域全体に波及していくように推進していくこととしており、本計画期間の5カ年で複数の取り組み事例が創出されるための連携・支援を社会福祉法人部会を中心に実施します。

 

重点項目2-2…分野ごとの連携を深め、分野・セクターを越えた新たな連携をすすめる~セクターを超え、課題の解決をめざすネットワークづくり~

子どもたちが成長するうえで、さまざまな人、もの、こと(体験)との出会いは、自分をかたちづくる大切な要素です。そして、たくさんの出会いは多くの経験、体験によってささえられます。しかし、さまざまな事情により、経験、体験の機会を失いがちな子どもたちも少なからずおり、子どもたちの経験、体験の機会を家庭や学校だけでなく、地域でもささえていくことが求められています。北社協ではネットワークの事務局を担い、地域のみなさんに連携を働きかけ、子ども・若者を応援する仕組みづくりをささえます。

 

  • 子どもが地域とかかわることによる、自己肯定感の向上

近年、「日本の若者は自己肯定感が低い」ということが取りざたされています。そのようななかで、地域とのかかわりが子どもの「自己肯定感」を高めることが分かってきました。

地域とかかわりながら学ぶ子どもと、そうでない子どもの下記項目に対する割合では、「地域と関わりながら学ぶ子ども」は「地域と関わりなく学ぶ子ども」に比べ、2割以上も「自己肯定感」が高いという結果が出ました。

 

  • 地域による「北区子ども・若者応援ネットワーク」

現在北区では、子ども食堂や学習支援、居場所などの活動のほか、児童養護施設を卒業したあとの若者の支援、子育て支援など、子ども・若者をささえる活動があり、それらの活動を側面からささえたいと考えている人や企業なども多くいます。

北社協では令和元年5月、「子ども・若者の育つ力を支える北区」をめざし、活動団体、活動の支援者、企業や商店、専門機関など、セクターを超えて連携する「北区子ども・若者応援ネットワーク」を設立しました。

 

北社協では、分野やセクターを超えた連携をすすめるコーディネート役を担い、これまでにない、新たな動きを地域のみなさまとともに生み出していきます。

 

重点項目3…住民同士がささえあう仕組みづくり~市民後見の取り組み~

地域での住民同士のささえあいは、絆づくりや見守りにとどまらず、権利擁護の場面でもその役割が期待されるようになってきています。認知症や知的な障がいなどが原因で、意思決定や財産管理がむずかしい人への支援制度として成年後見制度(以下、制度)があります。北社協では、地域住民が「市民後見人」となって同じ住民をささえることができるよう、市民後見人の養成から受任の一貫した仕組みづくりを目指して北区と連携して取り組むための協議をすすめます。

 

  • 成年後見制度を利用する人が増えています

現在、全国で年間35,000件以上、東京都内でも約5,000件の申し立てが行われており、北区では平成29年に118件の申し立てがありました。今後も高齢者人口などの増加に伴い、制度の必要性が高まることが予想されます。

 

  • 親族後見人が減っています

制度開始当初の平成12年には、親族が後見人になる割合が95%でしたが、年々減少し平成30年には23%となっています。現在、後見人の多くは弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職が担っていますが、増加するニーズに対して専門職だけで対応することは困難と考えられています。

 

  • 市民後見人が必要とされています

そこで現在、市民後見人の活躍が期待されています。東京都でも平成17年度から、都民などを対象に「社会貢献型後見人等候補者(市民後見人)」の養成講習を行ってきました。北区では、講習の修了生2人が市民後見人として活躍しています。現状では全国の後見人のうち、市民後見人の割合は1%程度ですが、都内の自治体でも今後の社会情勢の変化を想定して市民後見人の養成を始めている地域が増えています。

 

※市民後見人…弁護士や司法書士などの資格はもたないものの社会貢献への意欲や倫理観が高い一般市民の中から、成年後見に関する一定の知識・態度を身に付けた良質の第三者後見人等の候補者(日本成年後見学会作成「市町村における権利擁護機能のあり方に関する研究会」平成18年度報告書より)

 

  • 成年後見制度は地域のネットワークが必要です

これまでの制度は、財産の管理保全が重視され、本人の生活の質の向上のために財産を積極的に利用するという視点に欠けていました。平成28年に制定された「成年後見制度の利用の促進に関する法律」(以下、促進法)においても、本人の意思をできる限り丁寧にくみ取りながら意思決定支援や身上保護を行い、本人がメリットを感じられる制度にしていくことが求められています。特に、適切な後見人候補者の選任支援や、親族が後見人となる際の支援をする専門職などのネットワークの構築が重要と考えられています。この取り組みは、本人が地域から排除されることなく、生活や尊厳が尊重されながら共生できる社会「地域共生社会の実現」の重要な手段ともいえます。

 

  • 住民の力を権利擁護の活動に活かす

地域全体に権利擁護の意識が広がれば、小さな問題が発生したときに、早めに専門家につなぐことができます。地域全体が連携を図りながら、制度に関するさまざまな役割を地域の関係機関や地域住民と担っていくことが必要です。

 

  • 仕組みづくりにむけて

市民後見が拡大するためには、区民全体に広く制度の理解をすすめるための周知が必要になります。また、そのうえで住民同士のささえあいとしての市民後見に関心をもっていただき、正しい理解をふまえて市民後見人として活動をするための準備の段階を用意し、意欲や能力に応じて市民後見人として活躍できるよう受任につなげる仕組みを構築する必要があります。この仕組みづくりには促進法に基づいて自治体が利用促進基本計画を策定し、社協や各種専門職団体と連携、協力して推進する必要があります。北社協では、第4次北区地域福祉活動計画の期間である5カ年の間に市民後見の仕組みを構築するための取り組みを北区と連携してすすめていきたいと考えています。

 

  • 市民後見人の活動ってどんなこと?

市民後見人の活動ってどんなことですか?

財産管理以外にも利用者ご本人との会話を意識し、月に2回は入所施設を訪問し家族会や行事にも参加しています。利用者ご本人はお買い物が好きで、施設職員同伴のもと買い物に付き添ったりすると会話がはずみます。また、成年後見監督人(北社協)に定期的に業務報告を行っています。

 

市民後見人になったきっかけはなんですか?

「市民後見人養成講座」に参加したことがきっかけです。いままで地域との交流が少なかったのですが、定年後は何か地域とつながりをもてる活動がしたい「地域の社会人」になりたいと思っていました。これなら今までの事務の経験も活かせ、社会貢献にもなると思いました。

 

心がけていることはなんですか?

年齢は離れていても、本人が生活してきた時代のことはなんとなく理解できます。時代を共有した生活感覚をもち、日々の会話を大切にすることを心がけていきたいです。

 

 

6北社協の活動基盤・体制強化

  • 北社協の活動基盤・体制強化

地域福祉推進のためには、行政や地域のさまざまな団体・関係機関との連携・協働が重要であり、地域共生社会実現に向けて、社会福祉協議会には地域の協働ネットワークの中核としての役割が期待されています。北社協が、地域の協働ネットワークを活かしたコーディネートをするうえでは、北社協の事務局職員が地域との関係を強化し、地域の実情や地域の社会資源を熟知することや、北社協の事務局体制が安定的で持続可能な盤石の体制であることが必要です。

 

北社協の事務局職員と地域との関係を強化する

地域との関係を強化するためには、職員が積極的に地域に出向き、地域住民に「北社協とはどんな活動をしているのか、どんな組織なのか」ということを知ってもらい、地域と顔の見える関係を築くことが重要です。

平成27年度に導入した王子・赤羽・滝野川の3地区の地区担当制導入から4年が経過しました。今後に向け、組織として地区担当制にどのように取り組むのかなどの課題を整理する時期です。これを機に、地区担当制の意義や、どのような取り組みが地域との関係を強化するアウトリーチの手法として効果的であるのかなどについて検討する必要があります。

今後の取り組みの方向性としては、地区担当制で把握した地域の課題を北社協の内部で共有し、解決に結びつける仕組みの構築など取り組み体制の整備・強化について検討のうえ、充実させていきます。また、どの地区担当でも、地域とのつながりを築くきっかけとして、担当地域の催しや、イベントなどに積極的に足を運ぶことにより、地域住民とのコミュニケーションを図り、その地域の実情や社会資源の把握に努めるようにします。

 

安定的で持続可能な北社協事務局の基盤づくり

北社協は、財政面では、会員制度を基盤とし、財源の大きな割合を北区からの補助金・委託金が占めています。更に事業運営面では、行政や地域のさまざまな団体・関係機関と連携・協働して事業を進めていることなどから、組織運営の透明性の確保、財政基盤の強化、効果的な組織づくり、ノウハウの蓄積、職員の資質の向上などが求められています。特に、財政基盤の強化と職員の資質向上は安定的で持続可能な北社協事務局の基盤づくりにおいては、喫緊の課題です。

 

I財政基盤の強化…1自主財源の確保…①北社協の会員増強・寄付の拡大

北社協の事業は、ささえあい・たすけあいというあたたかな互助の精神により成り立っているため、地域住民に会員になっていただくことや地域のさまざまな団体・個人からの寄付や支援が必要不可欠です。

今後は、民生・児童委員の方々による会員増強の取り組みだけでなく、職員が、地区担当制でのアウトリーチにより地域の実情を把握したうえで、北社協の事業の広報や、事業へのご理解・ご協力をいただけるように、より一層努めていきます。地域の企業を含めたさまざまな個人・団体に対し、地域の催しやイベントなどの多くの人々や団体とつながることのできる機会を通じ、積極的に会員増強や寄付拡大の働きかけを行います。なお、会費の受付などの窓口での現金支払いだけでなく、近年著しく進展しているキャッシュレス化についても検討していきます。

 

I財政基盤の強化…1自主財源の確保…②ファンドレイジング

現在の複雑・多様化した地域の福祉課題のなかには、行政の制度や財源だけでは対応が困難な課題もあります。そのため、北社協として地域の福祉課題を明確にしたうえで有効な解決策を提示し、その解決策への共感から、地域の福祉課題を解決するための支援や資金を得る手法(ファンドレイジング)が必要となります。現在、この手法で、子ども食堂の事業運営に関しては、多くの人々から食品や寄付など、さまざまな温かい支援が寄せられています。

今後は、いままで以上にファンドレイジングに組織的に取り組むこととし、全職員を対象に研修を実施するとともに、プロジェクトチームの立ち上げについても検討します。

更に、地区担当制で広げたネットワークを活かし、北社協の事業にご理解をいただける地域の企業などに対し、地域での福祉課題を明確に提示し、募金箱の設置や寄付をしていただけるように積極的に働きかけるなど、地域で北社協への理解者や支援者を増やしていくような取り組みを行います。

 

I財政基盤の強化…1自主財源の確保…③遺贈

遺贈については、北社協の事業による生前からの本人とのつながりや、北社協の職員による日常的な見守りや生活支援が、結果として遺贈につながっていくような流れについて先進事例を研究していきます。また、取り組みの第一歩として遺贈の実績が多い他地区での成果を踏まえ、遺贈の趣旨を明示した案内チラシを作成します。更に権利擁護事業を担う「あんしん北」のネットワークを活かし、遺贈について相談を受ける機会の多い行政書士会・司法書士会・弁護士会などを中心にチラシを配布し、周知を行うとともに、それぞれの士会の会合などの機会を捉え、積極的に出向いて説明を行います。

 

※遺贈…遺言により遺言者の財産を無償で譲ること

 

I財政基盤の強化…2北区からの財政的支援の確保

北社協の収入財源の内訳では、北区からの補助金・委託金の占める割合が大きく、北区からは、北社協に対し独立した社会福祉法人としての自主・自立的な経営基盤の強化が求められています。今後は北社協の事業の見直しをすすめるとともに、他地区では行政から社会福祉協議会へ委託されている事業の実施状況をふまえ、現在北区役所で実施している事業のうち北社協のコーディネート力を発揮することで事業の実施効果や効率性がより期待できる事業については、積極的に北区から事業を受託することによって財政基盤の強化につなげることも検討していきます。

受託を進めるうえでは、現在、北社協が実施している事業との整理や係体制の再編など、効率的な運営が可能となるように事業の実施体制を見直すとともに、実施体制の整備・強化を図っていきます。

 

I財政基盤の強化…3新しい基金の創設

北社協には、基本財産のほかに、地域福祉活動推進基金、財政調整資金積立資産、先駆的・モデル事業資金積立資産、固定資産物品取得積立資産、退職給与積立資産といった1つの基金と4つの積立資産があります。このうち、基本財産は固定資産として維持すべきものであり、また、退職給与積立資産や固定資産物品取得積立資産は、使途が明確で今後の活用が限定されているものです。財政調整資金積立資産は不測の事態に備えるもので、必要に応じその一部を取り崩し使用しています。地域福祉活動推進基金と先駆的・モデル事業資金積立資産については具体的な活用計画が立てられていません。

また、平成28年度には、ファンドレイジングの受け皿として「(仮称)子ども・若者応援基金」や「(仮称)地域共生基金」の設置に関する提言が地域福祉活動計画等推進委員会の策定作業部会から出されています。理事会・評議員会では2つの基金の設置と、この2つの基金に寄せられた資金のうち、20%程度は人件費に充当することについても了承を得られました。

そのため、具体的な活用計画がない地域福祉活動推進基金と先駆的・モデル事業資金積立資産の2つを「(仮称)子ども・若者応援基金」・「(仮称)地域共生基金」の2つに整理・再編し、令和元年度には、先行して「(仮称)子ども・若者応援基金」の設置を検討します。

 

II職員の資質の向上

北社協の職員は地域共生社会の実現に向け、複雑・多様化した地域課題や公的な制度の狭間で苦しむ人、自ら支援を求めることがむずかしい人たちなどに向きあい、地域の力を引き出し解決に導く役割を求められています。そのため、職員の資質の向上は非常に重要なものとなっています。

現在、新任職員には、4月に北社協の概要についての研修を行うほか、5月・6月に東京都社会福祉協議会や全国社会福祉協議会が行う新任研修への参加、北社協がテーマごとに年数回実施している区内福祉事業所の職員向けの職場定着やスキル向上の研修などに参加を促しています。中堅職員についても、東京都社会福祉協議会が実施する中堅職員研修への参加や、担当する業務によっては、全国社会福祉協議会が実施する会計実務講座などへの参加も促しています。

また、社会福祉協議会職員は地域とのかかわりが強いためコミュニケーション能力を求められていますが、地区担当制で地域に出ていくことによってコミュニケーション能力に磨きをかけるようにしています。

今後は、いままで以上に人材を計画的に育成する必要があるため、役職・経験年数を踏まえた研修計画の策定を検討し、東京都社会福祉協議会や全国社会福祉協議会が行う職層や業務別の研修に積極的な参加を促し、地域で信頼される職員の育成を目指します。

 

 

資料編

1…社会福祉法人北区社会福祉協議会地域福祉活動計画等推進委員会要綱

目的

1条…社会福祉法人北区社会福祉協議会(以下「本会」という。)が策定した「地域福祉活動計画」の進捗状況の評価、確認及び、その推進を図ることを目的として、地域福祉活動計画等推進委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

 

委員会の構成

2条…委員会は、次に掲げる15名以内の委員で構成され、本会会長が委嘱する。

1)社会福祉法人もしくは社会福祉事業を行う団体等

2)民生委員・児童委員

3)町会自治会関係者

4)商工関係団体の推薦を受けた者

5)ボランティア活動を行う者

6)行政関係者

7)社協関係者

8)その他会長が認める者

 

部会の設置

3条…委員会は、必要に応じて部会を設置することができる。

 

正副委員長

4条…委員会に、正副委員長を各1名置く。

2…正副委員長は、委員の互選によるものとする。

3…委員長は、委員会を代表し、会務を統括する。

4…委員長に事故あるときは、副委員長がその職務を代行する。

 

委員会の任務

5条…委員会は、次の各号に掲げる事項を審議する。

1)地域福祉活動計画の進捗状況の確認及び評価に関すること。

2)地域福祉活動計画に基づく事業の推進に関すること。

3)その他、目的達成のために必要な事項。

 

委員の任期

6条…委員の任期は2年とする。但し再任を妨げない。

2…前項の委員に欠員が生じたときの補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

 

招集及び決議

7条…委員会は、必要の都度、委員長が招集し、議長となる。

2…委員会は、委員の過半数の出席がなければ開催することができない。

3…委員会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

 

報酬

8条…委員が委員会に出席した場合には報酬を支払うものとする。

2…前項の報酬の額は、下表のとおりとする。

区分 金額

委員長…20,600

委員(学識経験者、専門職)…18,500

委員…9,400

 

事務局

9条…委員会の事務局は、本会事務局内に置く。

 

委任

10条…この要綱に定めるもののほか、委員会に関する必要事項は、本会会長が別に定める。

付則

この要綱は、平成1866日から施行する。

付則

この要綱は、平成2741日から施行する。

付則

この要綱は、平成301221日から施行する。

 

 

2…地域福祉活動計画等推進委員会(策定委員会)委員名簿

任期:平成3041日~令和2331日(所属・役職は就任時のもの)

委員長…加山弾…東洋大学社会学部教授(学識経験者)…選出区分:学識経験者

副委員長…荒木正信…北区社会福祉協議会会長…社会福祉協議会

委員…川崎千鶴子…社会福祉法人うらら…特別養護老人ホームみずべの苑施設長…選出区分:社会福祉法人

委員…森将知…社会福祉法人さざんかの会…第二ワークハウスペガサス施設長…選出区分:社会福祉法人

委員…鈴木綾…社会福祉法人あゆみ事務局長…選出区分:社会福祉法人

委員…鈴木文子…北区民生・児童委員協議会(桐ケ丘地区会長)…選出区分:民生・児童委員

委員…味形久子…北区民生・児童委員協議会(西ケ原地区会長)…選出区分:民生・児童委員

委員…鈴木將雄…北区町会・自治会連合会…選出区分:町会・自治会

委員…越野充博…東京商工会議所北支部会長…選出区分:商工関係団体

委員…小池一博…東京青年会議所北区委員会副委員長…選出区分:商工関係団体

委員…佐古恵子…北区で子どもの遊ぶ場をつくる会代表…選出区分:ボランティア活動を行う者

委員…水上人江…NPO法人市民後見☆北ネット(市民後見人)…選出区分:ボランティア活動を行う者

委員…内海千津子…子育てママ応援塾「ほっこり〜の」代表…選出区分:ボランティア活動を行う者

委員…小野村弘幸…北区健康福祉部長(平成31331日まで)…選出区分:行政関係

委員…峯崎優二…同上(平成3141日より)…選出区分:行政関係

委員…徳永洋子…日本ファンドレイジング協会理事…選出区分:その他会長が認めるもの

 

計画策定作業部会

任期:平成3041日〜令和2331日(所属・役職は就任時のもの)

中島記久子…社会福祉法人北区社会福祉事業団上中里つつじ荘高齢者あんしんセンター

森将知…社会福祉法人さざんかの会第二ワークハウスペガサス施設長

鈴木綾…社会福祉法人あゆみ事務局長

小池一博…東京青年会議所北区委員会副委員長

平井孝明…赤羽ベーゴマクラブ会長

水上人江…NPO法人市民後見☆北ネット

 

  • 社協内プロジェクトチーム

栗原敏明、澤田恭子、小原宗一、中村真由美、永野賢一、大澤朋子、菅野彩子、田村佳奈子、宮嶋貴道

表紙作成:野呂尚暉、事務担当:檜山遼相

 

 

3…検討経過

1)社会福祉法人北区社会福祉協議会地域福祉活動計画等推進委員会(策定委員会)

1回…平成30109日(火)

・第1次〜第3次北区地域福祉活動計画の概要説明

・第3次北区地域福祉活動計画の進捗状況評価

・第4次北区地域福祉活動計画の策定体制について

・策定スケジュールについて

・「我が事・丸ごと」地域共生社会について

・各分野の活動からみえる社会状況、地域課題について

 

2回…平成301221日(金)

・団体ヒアリングの経過報告

・我がまちふくしミーティングの経過報告

・作業部会での検討経過報告

・第4次北区地域福祉活動計画の基本目標、取り組みの方向性

 

3回…平成31215日(金)

・冊子構成案の検討

・広報案の検討

 

4回…平成31311日(月)

・冊子案の検討

・広報案の検討

 

5回…令和元年65日(水)

・パブリックコメントの報告

 

2)社会福祉法人北区社会福祉協議会地域福祉活動計画策定作業部会

1回…平成30926日(水)

・第1次~第3次計画の概要説明

・第3次北区地域福祉活動計画の進捗状況評価

・第4次北区地域福祉活動計画の策定体制について

・策定スケジュールについて

・「我が事・丸ごと」地域共生社会について

 

2回…平成301116日(金)

・団体ヒアリングの経過報告

・基本理念、基本目標について

 

3回…平成301217日(月)

・団体ヒアリングの経過報告

・我がまちふくしミーティングの経過報告

・基本目標、取り組みの方向性について

 

4回…平成31110日(木)

・我がまちふくしミーティングの報告

・基本目標、取り組みの方向性について

 

5回…平成3124日(月)

・具体的取り組み項目の検討

・冊子構成・広報案の検討

 

6回…平成3134日(月)

・地域でできることの検討作業

 

7回…令和元年57日(火)

・パブリックコメント版について

 

 

4…団体ヒアリング調査の実施状況

実施概要

目的…地域課題やニーズ、多様な関係者の想いの把握や課題解決の見通しを図る

方法…北社協職員29人が対象団体に対し個別にヒアリング調査を実施

対象数…社会福祉法人:5件、NPO法人:6件、団体:9件、企業:1件、寺社:1件、弁護士法人:1件、教育機関:1件(計24件)

実施期間…平成30103日(水)~平成31115日(火)

 

実施先

分野…地域公益活動

社会福祉法人こうほうえんキッズタウンうきま夜間保育園…平成301016日(火)…大園、大澤

社会福祉法人あゆみ…平成301022日(月)…大園、大澤

社会福祉法人ドリームヴイ…平成30125日(水)…小原、檜山

 

分野…企業の社会貢献活動 

城北信用金庫…平成301112日(月)…小原、檜山

 

分野…権利擁護・成年後見

弁護士法人東京パブリック法律事務所…平成30111日(木)…田村、高田

NPO法人 市民後見☆北ネット…平成30112日(金)…野呂、渡部

公益社団法人 成年後見センター…リーガルサポート北荒川支部…平成30112日(金)…田村、窪田

NPO法人エンディングコミュニティ縁生舎…平成301122日(木)…野呂、高田

 

分野…子ども支援等

赤羽ベーゴマクラブ…平成301030日(火)…上田、菅野、渡辺

NPO法人東京シューレ…平成30116日(火)…松本、峯村

東京福祉大学…平成301120日(火)…宮嶋、谷川

宗教法人常住寺…平成301121日(水)…安藤、谷本

産後デイケアはあとほっと…平成31110日(木)…栗原、澤田、宮嶋

 

分野…高齢福祉関係

社会福祉法人 北区社会福祉事業団上中里つつじ荘 平成30103日(水)…小原、大澤

りぷりんと北グループ…平成30115日(月)…菅野、若松

みんなのサロン西大原…平成301111日(日)…福田、高安

友愛ホームサービスサポートスタッフ…平成301116日(金)…住友、佐藤

 

分野…障がい福祉関係

社会福祉法人さざんかの会ファミーレららら…平成301023日(火)…菅野、小林

音訳グループやまびこ…平成301022日(月)…飯野、榎本

不登校・ひきこもりの自主家族懇談会「赤羽会」…平成301031日(火)…福田、渡辺

 

分野…多文化共生

草の根国際交流の会コアラサークル…平成301023日(火)…小林、若松

NPO法人AsiaCommons…平成301023日(火)…宮嶋、高安

 

分野…災害支援関係

災害支援関係…NPO法人日本ファーストエイドソサェティ…平成3117日(月)…小原、野呂、松本

 

分野…多様性の理解

RainbowTokyo北区…平成31115日(火)…栗原、中村、安藤

 

◎実施結果について 団体ヒアリング実施後、各対象に掲載原稿の確認・修正・了承を得たうえで掲載しています。

 

  • 団体ヒアリング調査実施結果まとめ

分野…地域公益活動

団体名…社会福祉法人こうほうえんキッズタウンうきま夜間保育園

実施日…平成301016日(火)

1…現在の活動内容

夜間保育園の運営、地域のお祭りや訓練などへの参加、未就園児向けの交流会の開催、プレママ向けイベントの開催、複合施設内(高齢デイサービス・ショートステイ・特養と保育園)での交流事業、地域の中学生の職場体験、高校、大学生のボランティアの受け入れなど。365日開園している。

2…今後の活動

上記の活動を今後も続けていく。

3…必要な支援やもの

卒園児のママが立ち上げた子ども食堂/おはなしサークルとのつながり/保育士によるポスティングでイベントの周知など。

 

分野…地域公益活動

団体名…社会福祉法人あゆみ

実施日…平成301112日(月)

1…現在の活動内容

子ども食堂開催に毎月2回ホールの提供及び運営支援をしている。メニューは青年会議所の協力により季節に合ったものを提供している。利用者の受入れはオープン。青年会議所主導(中心)であり、あゆみはフォロー。役割分担がはっきりしていてやりやすい。子ども食堂以外には、現在は近隣の町会に貸し出しをしている程度。貸出ルールができたら、広げていきたい。

2…今後の活動

子ども食堂は貧困層向けというイメージがまだあるが、誰でも気軽に利用できる地域コミュニティのひとつというイメージを作っていきたい。/地域のコミュニティ(貧困層を分けるのではなく、だれでも客としてもスタッフとしても関われる場)を広げていきたい/その人その人の強みを活かせる従事方法を考えたい/孤食が多いので、他の人と食事をする機会をつくり、地域とつながってほしい/会場貸出に関する管理体制の整備(ルールづくりなど)ができたら、他の法人にも社会福祉法人部会などを通じて示していきたい/今後は障がい者もスタッフとして支える側での活動ができることも理解をしてもらい、地域とのつながりを発展させていきたい。

3…必要な支援やもの

教育の場、個人、地域の団体、それぞれの情報をスムーズに提供・共有できれば。現状では、スクールカウンセラーや教室経営者などの気づきでつながったケースが散見/子ども食堂(青年会議所)のブログ/地域の活動に出てくる人は限られている。顔を出さない人は全く出さない。そのような方が出てこられる環境・関係作り。/個人情報の観点から情報が埋もれてしまう。

 

分野…地域公益活動

団体名…社会福祉法人ドリームヴイ

実施日…平成30125日(水)

1…現在の活動内容

養護学校で、教師をしていた小島氏は、健常児と障がい児を分けている分離教育に疑問を感じていた。障害者と健常者が出会うことなくして、障がい者の持つ素敵な価値を知ってもらうことはむずかしいし、一緒に生きる社会をつくっていくこともむずかしい、と思っていた。

平成115月十条に、卒業生の親御さんたちと一緒に、有限会社ヴイ王子を立ち上げ、スワンのフランチャイズ1号店として、スワンベーカリー十条店を開店した(現在、ANAウイングフェローズヴイ王子)。

その5年後、地域で生き続けていくのに、福祉的な応援の必要な部分について、社会福祉法人ドリームヴイの認可を受けて事業を行っている。

2…今後の活動

高齢者の多い地域に出て、地域の人たちが必要としていることの一端でも担えたらと考えて、シャッター街となっているところにカフェレストランの開店と、立ちより場(サロン)づくりにかかわっている。

3…必要な支援やもの

高齢者が多く、シャッター街となっている街に障がいのある方々の笑顔や、やさしいがあふれる街にできたら、みんな元気がとりもどせるだろう。

 

分野…企業の社会貢献活動

団体名…城北信用金庫

実施日…平成301112日(月)

1…現在の活動内容

信用金庫にとって地域活性化は本業の目標でもあるので、非金融分野を含め幅広く取り組んでいる。一例として、WEBメディア『NACORD(ナコード)』を運営している。「地域にはこんな素敵なヒト・モノ・マチがある」ということを、地域の方々に知っていただく機会になればと思っている。

2…今後の活動

NACORD』には地域企業の経営者インタビューなども掲載しているが、自社の製品やサービス、将来の夢など、取材を通じて地域企業の熱い「想い」に触れる機会が多い。そのような活動をしていく中で「価値を見出す」ということに力点を置くようになった。地域の方々と一緒につくる「共創するメディア」に育てていきたい。

3…必要な支援やもの

やはり発信は大事である。「こんなことができるのではないか」と世の中に提案することもできる。一方で、現状では閲覧者が限られており、いかにしてメディア自体を広めていくかが課題。また、信用金庫は株式会社ではないので、地域の方々の出資やご支持があってこそ成り立っている。どんなに業務が多忙でも、お客さまとしっかりコミュニケーションを図っていけるような職員を育成していくことも、今後の課題と考えている。

 

分野…権利擁護・成年後見

団体名…弁護士法人東京パブリック法律事務所

実施日…平成30111日(木)

1…現在の活動内容

東京パブリック法律事務所では、法律的な悩み事やトラブルについて、気軽に相談相手になり、解決をはかる、「市民の法的駆け込み寺」を目指して各種の相談にのっています。

①法律相談(債務整理、過払い請求、自己破産が多い)②福祉班(弁護士と福祉の専門職でチームをつくっている。精神・知的障がいや暴力団関係など困難ケース、裁判所からの相談もある。)③事業とくらしの相談会(北区と共催で年に一度実施。土地、相続、後見制度、借家問題など)④支援者への電話相談(板橋区、北区で実施。区の職員を通しての相談。)

2…今後の活動

家族がおらず地域とつながりもない方で、障害者手帳などを持っていないグレーゾーンの方の法律トラブルを未然に防ぐことがむずかしいと感じている。未成年後見人を行うなかで、未成年の関係機関が少ない。小学校も内向きで非協力的な場合がある。現在、職員で学習支援教室を開いており、今後も未成年の支援も含めて力を入れていきたい。

3…必要な支援やもの

後見人の活動を地域で支援してもらえるマンパワーがあるといいと思う。債務整理でも、お金を借りる前に身近な人に相談する事で防げる事がある。障がいのある方も、グレーゾーンの人も含めて地域のなかで役割を持つことが必要。人とかかわる場を作る。辛い仕事ではなく楽しい仕事に協力してもらうことが必要。

 

分野…権利擁護・成年後見

団体名…NPO法人市民後見☆北ネット

実施日…平成30112日(金)

1…現在の活動内容

市民後見人養成講座修了生を中心にしたグループで、後見受任をはじめ、後見制度を広く知ってもらうための情報発信や支援活動を行っている。成年後見制度、介護保険制度、各種福祉サービスの利用、相続、遺言などについて相談者と一緒に考えている。

①セミナーや出前講座の開催。

②毎月定例会と理事会、スキルアップ研修を開催。

2…今後の活動

他機関と連携していくことで、本人向けの成年後見制度利用だけでなく、親に対しても利用の検討を促す機会をつくっていく。現在、会員が地域の“居場所”「だんだん東十条」や「谷田橋サロン」などでボランティア活動をしている。サロンで後見制度の出前講座などを行う予定。

3…必要な支援やもの

北区の今後を考えたときに「できたらいいな」と思うのが、成年後見制度に関しての第三セクター的な存在。弁護士・司法書士・社会福祉士・権利擁護センター、そして市民後見北ネットのような団体などが同じ機関に所属して、地域からあがって成年後見に関連した相談がそこで受けられるようになることが望ましい。早い段階から相談にかかわれば、本人の意思が反映されたより中身の濃い後見制度利用ができる。市民後見北ネットのメンバーがアセスメントを担当するなど同じ機関に所属していれば具体的対応が可能になる。今後、対象者に寄り添っていくことの出来る“伴走者”が必要になってくる。「任意後見制度の利用」が広まるには、行政からの支援が必要。

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分野…権利擁護・成年後見

団体名…公益社団法人成年後見センター リーガルサポート北荒川支部

実施日…平成30112日(金)

1…現在の活動内容

リーガルサポート(以下「LS」)は、後見制度が出来た平成12年に設立された司法書士を会員とする法人。成年後見制度や申立手続きの相談、講演会や説明会の開催、行政、福祉・医療関係者などと協力しながら虐待防止などの「高齢者・障害者などの権利擁護」のための活動を行っている。司法書士会は地域ごとに支部があり、地域密着で活動出来るという強みがある。司法書士の業務は登記が主で、後見業務はその他業務と半々で行っている者が多い。LS地区内の登録メンバーは30人程で、後見人などを受任しているのは約10人。北荒川支部では毎月無料相談会を開いている。相談内容としては相続登記や少額訴訟などが多い。年に数回、地域への説明会も開催している。

2…今後の活動

後見申立書類作成や制度説明ならば引き受けるという会員は多いが、実際に後見人を受任することができる人員が少ない。1人あたりの受任数が多くなってきているため、後見活動を行える会員を増やしたい。

相続や遺言で相談に来た方でも、相談内容を聴くとさまざまな家庭問題が混在しているケースもある。債務整理は相談件数が多く、多重債務者は年齢が高く孤立気味な人が多い傾向にある。行政・福祉と連携し、多角的な支援を行えるようにしたい。

また、閉鎖的な場所(高齢者や障害者の施設)へのアプローチ、ニーズの掘り起しが課題。

3…必要な支援やもの

専門職のところに相談にくるのは、問題が大きくなってから。早めに社協などに相談がつながれるよう啓発が必要。口コミや人づてで相談が来るケースもあるため、関係機関連絡会のような場、横のつながり、地域ネットワークを強化したい。低資産・低所得者のための公的報酬助成の拡充も望まれる。

 

分野…権利擁護・成年後見

団体名…NPO法人エンディングコミュニティ縁生舎

実施日…平成301122日(木)

1…現在の活動内容

団体設立後にNPO法人化し、葬儀や老い支度に関する情報提供、事前相談、葬儀の企画を行っている。葬儀はひとりひとり、また地域によって事情が異なるので、地域に根付き、顔が見える関係を重視しており、自分の葬儀や家族の葬儀などの相談が多い。死後事務の手続きを同行して行うこともある。

2…今後の活動

亡くなった後、感染症などを看護師に聞いても教えてくれないことがあった。C型肝炎など、身を守るためにも聞きたいが、個人情報の壁がむずかしい。地域では「死」というテーマを扱っている活動のため、なかなか宣伝は出来ない。講座などを受講してもらい、みなさんの頭の片隅に残してもらい、はっと気づいたときに相談できる縁生舎でありたい。

3…必要な支援やもの

個人情報の共有を出来る仕組みや、お金がないが亡くなったあとの保証ができる制度があるといいと思う。介護支援事業所への説明会など、介護する人との連携できる仕組みや、ケアマネジャーなどへの心のケアや、障害者手帳はないがグレーゾーンの方への説明会なども大切と考えている。

 

分野…子ども支援等

団体名…赤羽ベーゴマクラブ

実施日…平成301030日(火)

1…現在の活動内容

月に1回八幡小学校体育館(赤羽台公園)でベーゴマ大会を開き、初心者もベテランも優勝できるような大会の仕組みづくりなどを実施。

2…今後の活動

高齢者の参加を促進したいが、高齢者層以外にもアプローチしていきたい。活動を継続することで、卒業した方が戻ってこられる場所にもしたい。ベーゴマは集中力や努力を必要とするので、遊びながらそういったことを学んで欲しいと考えている。

3…必要な支援やもの

運営を担えるスタッフを増やしたい/高齢者の参加者も増やしたい/実施会場不足/装飾したベーゴマなどの販売で資金調達しているが、参加する子どもへプレゼントを渡すことも多く、安定した財源確保が必要/SNSを活用しての発信が必要/現在は口コミやSNSなどの活用、さまざまなイベントへ参加することで、思いもよらなかった人とつながることが出来るが、高齢者へ情報が届きにくい/自治会のしきたりがあり、広報や参入できない場面がある/滝野川地区の小中学校でベーゴマ講座を実施した経験を活かし、赤羽、王子地区でも行えるようPTAや地域の理解が必要。

 

分野…子ども支援等

団体名…NPO法人東京シューレ

実施日…平成30116日(火)

1…現在の活動内容

フリースクール、ホームシューレ、シューレ大学の運営、親の会・相談活動、ひきこもり当事者サロンの開催、教育支援センター運営受託、調査研究、政策提案や普通教育機会確保法の周知・施策推進活動など

2…今後の活動

不登校をはじめ学校が合わない子どもたちの教育機会確保として、フリースクールやホームエデュケーションなどの多様な学びを推進していく。地域では政策提案協働事業「北区子どもの多様な育ちを支える地域連携事業」の成果を行政施策に継続して活かし、公民連携による子ども支援を推進していきたい。北区の事例が全国的な公民連携協働のモデルとして活用されること、また全国各地でフリースクールが増えていくよう担い手の養成にも力を入れたい。

3…必要な支援やもの

普通教育機会確保法により、学校を休むこと、学校以外の多様な学びでの義務教育機会の確保が認められたが、依然、不登校への偏見・誤解は根強く、学校復帰のみを前提とした支援に偏重しているため、地域・学校・社会のさらなる理解が必要である。また団体への公費支援も、子ども・家庭への経済支援も実現しておらず行政・教育委員会との連携はますます必要である/東京シューレの組織拡大ではなく、設立者や担い手を増やして地域格差をなくしていくよう考えている。フリースクールの人材養成や創設支援は、民間財団と共同してプログラムをつくり取り組んでいるが、さらに充実するとよい/不登校の子どもを支援するNPOの拠点となり、情報交換や連携、情報発信に努めているが、ますます地域連携が必要である/寄付金、支援者を広げファンドレイジングに力を入れ、より社会の理解や支援を獲得していきたい

 

分野…子ども支援等

団体名…東京福祉大学

実施日…平成301120日(火)

1…現在の活動内容

学習支援教室/お祭りなどのイベント

2…今後の活動

大学を卒業した学生、学習支援を卒業した子ども達が気軽に顔を出せる場所を作りたい/支援をする人達のサポートについての検討/地域に開かれた学校としたい/参加する子どもと地域が関われるようなイベントを開催。

3…必要な支援やもの

学生は4年で卒業するため、継続して活動をつなげていくための仕組みを検討/空き部屋など大学特有の強みもあるため、それを活用する仕掛けについても考えたい/地域と学校が情報共有そのほか連携するための仕組みが少ないため、地域の方が、大学に求めること、期待などを知る機会、工夫が必要/大学と地域の子ども、町会のコラボはよい効果がたくさんあるため、他大学にも北区の事例を知ってもらい、活動が広がる仕組みができるとよい/独自でイベントを開催する時は、大学単体で何かをやろうとすると人員集めなどが困難となるため、社協なども巻き込んで実施したい。

 

分野…子ども支援等

団体名…宗教法人常住寺

実施日…平成301121日(水)

1…現在の活動内容

学習支援教室:受験に特化したものではなく、限られた小学生を対象に学習支援を行っている。子どもたちに勉強習慣を与えること、生きがい、安らぎといったものを、勉強を通して伝えていく事を理念としている。

てこらcafé:地域の子どもたちが安心して暮らすことができるように立ち寄れる場。地域の子どもたちが安心して暮らせるように大人たちが接して、何かあれば手助けする場としている。

2…今後の活動

ゆりかごから墓場までのアプローチをしていきたいと思う。いま来ている子どもたちが大人になったときに、ボランティアとして手伝ってもらえるようになるのが夢。

3…必要な支援やもの

地域にいるさまざまな分野の方の参画/社協のCSWとも積極的にかかわり、地域の子ども支援を推進したい/行政のSSWの数が増えてほしい/地域の支援者自分らもソーシャルワークをするべきだと感じる/相手の気持ちを汲んで受け取ることを留意しており、地域の方が支援をしたいといってくれた時にその気持ちに応えられるかが課題/「北区子ども食堂ネットワーク」に登録しているが、今後多くの子ども食堂との連携を密にしながら対応したい/学習支援について、PR、協力依頼などで課題がある/学校などの教育現場でこういった居場所があることを子どもたちに広報・働きかけしていきたい

 

SSW…スクールソーシャルワーカー(School Social Worker

 

分野…子ども支援等

団体名…産後デイケアはあとほっと

実施日…平成31110日(木)

1…現在の活動内容

助産師、保健師、民生児童委員など、子育て支援のスキルを持つ専門職が活動に共感して参加し、産後ママの心と体のケアを行っている。主に、新米ママに対する子育てスキル(授乳、寝かしつけその他)を伝授することや、入浴、仮眠などママの体のケアを実施。

2…今後の活動

現在北区では、1年間に約2600人の赤ちゃんが生まれ、増加傾向にある。出産年齢の幅が広がった事(10歳代〜40歳代)などから女性のワークライフバランスを考え、生産人口を高めるためには、産後期に閉じこもらず、いろいろな体験、出会いをして、新しい価値観を抱いてもらいたい。

3…必要な支援やもの

専門職の配置が必須となるため、事業継続には支援者の確保が必要になっている/北区には空き家が多くあるため、空き家対策を行政がきちんと行い、地域活動者が活動しやすい環境を整えてほしい/事業の特性上専門職の配置が必須であるため、継続的な資金調達が必要/事業としては、産後1カ月~6カ月だが、それが終わった後のケアも手厚くしていきたい(現在もサロンなどを開いて卒業ママのケアを実施している)。

 

分野…高齢福祉関係

団体名…社会福祉法人北区社会福祉事業団上中里つつじ荘

実施日…平成30103日(水)

1…現在の活動内容

地域包括支援センターの事業として認知症サロンなどを展開している。小学校で認知症サポーターの授業も行っている。

2…今後の活動

子どもたちの夏休み自由研究に高齢者のことや認知症のことを取り上げてもらえるようにしたい/子どもたちへの福祉教育を通じて若い親の世代を巻き込んでいきたい。つつじ荘(特養)でも高齢者雇用ができるように働きかけていきたい。

3…必要な支援やもの

ボランティアコーディネーターの存在が必要/法人内の施設との連携/若い親や地域を巻き込むには社協との連携が必要/若い世代の認知症の理解が必要/町会長など地域リーダーのリーダーシップ

 

分野…高齢福祉関係

団体名…りぷりんと北グループ

実施日…平成30115日(月)

1…現在の活動内容

「りぷりんと」は、60歳以上のシニアが、「絵本の読み聞かせ」を通じて「世代間交流」「仲間作り」「健康管理」を行ないつつ、ボランティアとして幼稚園などをはじめ、高齢者施設などさまざまな場所で、「絵本の読み聞かせ」の活動を行っている。現在、NPOりぷりんと・ネットワーク(9エリアが加入している)の一員として活動している。北区では1期「北話会」、2期「さくら会」、3期「すまいる北」が「りぷりんと北」として活動している。北区の行なうイベントにも積極的に参加、それをきっかけに口コミが広がり、活動の場が増えてきている。アメリカンスクール、高校にも読み聞かせに行く機会ができてきた。現在、保育園9カ所、乳児施設1カ所、小学校2カ所、高齢者施設10カ所、で定期的に読み聞かせを行なっている。「絵本の部屋」が軌道に乗りつつある。固定した場所で人を集める事ができれば、情報の発信場所として貴重な存在になると確信している。選書に時間をかけることがこだわりで、月に1回の勉強会を定期的に行っている。子どもから元気をもらい、高齢者には元気をお分けしている、また、自分自身も絵本から元気をもらうことが多くあり、楽しく活動できている。

2…今後の活動

りぷりんと・ネットワークの一員として活動することにより他のエリアの状況、研修状態も知ることができ、活動の刺激となっている。他のエリアでは小学校での活動が多く、育ち盛りの子どもを相手にできる楽しさを教えられている。北区では接点が少ないが、「わくわく」などへ入る余地はあると思慮している。そのために対応できる「りぷりんと北」全体の組織作り、協力体制作りが必要となってきている。

3…必要な支援やもの

北区では月に1回りぷりんとグループの定例会を行っているが、部屋が小さいため、連絡会程度になってしまっている。できれば会合のできる大きな部屋がほしい。しもぞうハウスの「絵本の部屋」つくりは軌道に乗ってきている。北区の講習を終える事が、会員になる資格であるが、(現在「りぷりんと北」の会員は37人である)講習を終了しても活動していない人も多いので、機会があれば宣伝していただきたい。

楽しみながら、ささやかでも社会貢献できる機会を利用していただきたいと思う。

 

※わくわく…放課後子ども総合プラン『わくわく☆ひろば』

 

分野…高齢福祉関係

団体名…みんなのサロン西大原

実施日…平成301111日(日)

1…現在の活動内容

活動日:毎月第2日曜日(13301530)、ただし9月と1月は除く。

内容:映画(四半期ごとに開催)、我が町郷土史(毎年1回・中央図書館の研究員)その他(歌/自前歌集を使用、俳句遊び、各種工作/ケマージュ(布などに紙ナフキンの絵柄を貼り付ける)など)

2…今後の活動

健康麻雀も今年度からスタートした。関心が高い。

3…必要な支援やもの

高齢者あんしんセンターや傾聴ボランティアとの連携。若い世代の担い手/気軽にとれる広い会場/自治会、老人会からの協賛金。社協の助成金/楽しいプログラム(だれでも出来て、利用者同士の会話ができるもの/口コミなどである程度人は来ているが、新しい顔の人がなかなかいない/まだ来たことのない人への周知/利用者やボランティアに介護や何かしらの支援が必要な時につなぐ先、高齢者あんしんセンターとの連携/食べ物があることで行ってみようかと思ってくれる人も増える。飲食に使える助成金があるといい。

 

分野…高齢福祉関係

団体名…友愛ホームサービスサポートスタッフ

実施日…平成301116日(金)

1…現在の活動内容

部屋の片づけなどの家事支援のほか、訪問した際にお困りなことがあると臨機応変に対応している。

2…今後の活動

成り手側からすると、どこに登録するか迷う/それぞれのサービスに、ねらいや目的があると思うが、担い手側としてはどこも似たようなサービスをばらばらとやっているという印象がある/介護保険外サービスの整理

 

分野…高齢福祉関係

団体名…社会福祉法人さざんかの会ファミーレららら

実施日…平成301023日(火)

1…現在の活動内容

知的障がい者グループホーム(入居者10人)。地域の方が利用できる多目的室も設置しており、高齢者あんしんセンターが開催するオレンジカフェへの場所を提供している。地域貢献・障がい理解の一環として、地域住民向けサロンも行っている【CSWと連携】

2…今後の活動

障がい理解への取り組みとして、子どもの頃から障がい者とかかわる機会を増やしていきたいと考えている。「親亡き後」の問題から利用者の親族への成年後見制度の利用案内などについても社協と連携していきたい。地域のイベントに町会など外部から声をかけてもらえるような団体、グループホームを目指していきたい。法人には日中通所し、作業活動を行なう施設もあり、地域共生の取り組みの中で障がい者の新たな働き方も創っていきたい。(工賃を生む仕組み)

3…必要な支援やもの

地域との接点(健康プラザのような)/ネットワーク(学校)⇒子どもへの障がい啓発のため/団体(施設)として地域住民とつながっていくことは単独ではむずかしい。他機関と連携していく必要がある/障がい者が地域の中で働く仕組み

 

分野…高齢福祉関係

団体名…音訳グループやまびこ

実施日…平成301022日(月)

1…現在の活動内容

北区図書館活動区民の会に所属。月2回の定例会と勉強会。中央図書館委託の本5冊を毎年音訳。図書館情報誌の『ぽけっと』『きたふくし』北区の選挙公報、支援室だよりなどを定期的に音訳。その他対面朗読月にのべ1520人対応。プライベート依頼のデイジー図書作成。識字障がいのためのマルチメディアデイジーの作成。

2…今後の活動

やまびこの音訳活動に対する認知度をアップさせて、もっとたくさんの方々に利用してもらうための広報。

会員の音訳技術のレベルアップは当然ながら、録音図書製作用ソフトウェアや新たな機器類の入手原資。

若手の会員やIT技術に堪能な新規会員の活動参加。

 

分野…障がい福祉関係

団体名…不登校・ひきこもりの自主家族懇談会「赤羽会」

実施日…平成301031日(火)

1…現在の活動内容

不登校・ひきこもりの子どものことで悩んでいる親などの家族(ピアサポーター含む)が2カ月に1回程度集まり、自主家族懇談会を開催。カウンセラー、保健師、経験者などをゲストとして招き、その理解と対応について学ぶ。ひきこもり(発達障害を含む)の社会参加応援事業として、啓発目的の講演会。毎月第2月曜日の午後、田端の谷田橋サロンにて、赤羽会の居場所をひきこもりから出口として開設。

2…今後の活動

雇用主の理解・協力が得られる就労先と、本人の能力を活かせる場所を増やしていきたい。自身の住んでいる地域の集まり(町会、シニアクラブ)などで情報を収集している。

3…必要な支援やもの

専門家や社協との連携、ピアサポーターの存在/第2、第3の居場所がほしい(できれば王子、赤羽地区)。居場所までの行き方(徒歩・自転車・電車)や、オープン・クローズなど、選択ができる場所/北区ニュースへの掲載は効果大。もっと広報できる場所、方法がほしい/親身になってくれる人が周り近所に必要/当事者家族の壁(世間体を気にしたり、当事者のことを隠してしまうなど)を取り払う。

 

分野…多文化共生

団体名…草の根国際交流の会コアラサークル

実施日…平成301023日(火)

1…現在の活動内容

外国籍親子の居場所づくりと保健師さんとの保育相談、日本語支援、季節の行事や文化の紹介など

2…今後の活動

後継者が必要/ボランティア希望者を増やしたい/助成金の活用として柔軟に使えると良い/SNSなどで団体を通さなくても外国人ママたちのネットワークがつくれている(北区・足立区のグループライン参加者は約300人)さまざまな媒体を活用した支援をすすめたい。

 

分野…多文化共生

団体名…NPO法人Asia Commons

実施日…平成301023日(火)

1…現在の活動内容

韓国語教室、アジア関連の出版・翻訳、中国の市民活動家を招いての市民交流イベント・中韓台港やモンゴルの文化理解、外国人のための生活案内を実施。参加者に合わせて日本語の練習や母国の紹介などしてもらい、互いに学ぶことも行っている。外国人に地域活動の参加を促す。

2…今後の活動

日本人の高齢者と交流したいと思っている外国人がいるので、お互いにささえあえるような活動が出来ればよいと思う(一緒に食事をする、買い物に行くなど)。

3…必要な支援やもの

外国人のママ(特に主婦)が孤立している為、孤立しない仕掛け作りに取り組みたい/現在も商店街に協力してもらっているが、地域からの理解をすすめ、支援の輪を広げたい/活用できる助成金など、財源の確保

 

分野…災害支援関係

団体名…NPO法人日本ファーストエイドソサェティ

実施日…平成3117日(月)

1…現在の活動内容

応急・救命手当の普及事業(保育所、学校、企業など、国内外)。災害支援の国際基準・ストレス対策などの研修事業。研究事業。会員や団体への支援事業。被災地支援事業(赤ちゃん一時避難プロジェクト)。

2…今後の活動

個人・団体だけでなく、企業や自治体からの派遣依頼、海外での啓発活動も増えており、つながりを活かして活動を続けたい。

北社協に対しての意見:災害時にボランティアセンターを立ち上げた際に、現場にいる職員はぜひ事業継続を一番に行なってほしい。

3…必要な支援やもの

発足当初は東社協を通じて広報。事務スタッフの人数が少ないため、広報や会員募集に課題がある。/地区事務所(札幌、東京、大阪、福岡)。全国的な会員ネットワークがある。/講座開催による収益で支援活動を実施しているが資金面に課題がある。/会員(個人・団体)、自治体など、国内では多くの団体とのネットワークを広めている/海外啓発事業の展開には、人材育成や資金面での課題がある。

 

分野…多様性の理解

団体名…RainbowTokyo北区

実施日…平成31115日(火)

1…現在の活動内容

性的指向や性自認において多数とは異なる個性をもつ性的少数者との共生を主眼とする多様性社会の実現に向けた活動を行う、その当事者や支援者からなる市民団体。行政(多様性社会推進課)と連携を図りつつ、不定期に、性的指向・性自認において困難を抱える性的少数者の困難や生きづらさを伝えたり、それらを改善するための活動を展開しています。

2…今後の活動

電話、対面による専門相談の実施、居場所作りなど、性的少数者などがアクセスできる窓口を設置し、対応指針などを作成、周知すること。これらを担当する人材を育成し、さらに他の相談窓口へのつなぎなどができるようファシリテーター研修を行うこと。自治組織(人権擁護委員、民生・児童委員、社会福祉協議会、PTAなども含む)、消防団の役員に対し、性的指向・性自認に関する研修、情報提供を行うこと。児童福祉、社会的養護、障がい者福祉、保健、医療、福祉、介護など行政職員など支援者の性的指向・性自認への理解を促進し、性的少数者が安心して受診できる医療・保健環境の整備すること。休暇・休業などに関連する就業規則の配偶者の解釈についてパートナーが同性である場合も事実上の配偶者として認め、異性パートナーの場合と比較して不利にならないよう、人事上の規則の見直しや、互助会制度の見直しを後押しすること。旧公営住宅法に由来する同居親族要件をなくし、同性のカップルも家族として入居できることを周知すること。

 

 

5…我がまちふくしミーティングの実施状況

実施概要

目的…住民一人ひとりの生活課題を身近な地域課題として捉えることで、住民自ら取り組みに参加し、福祉のまちづくりの推進を図る

方法…それぞれの地区に存在する地域の拠点などに、地域住民、ボランティア団体、福祉関係職員、民生・児童委員、行政職員などに実施

対象数…王子地区、赤羽地区、滝野川地区(計3地区)

開催数…滝野川地区:2回、王子地区:1回、赤羽地区:1回(計4回)

実施期間…平成301130日(金)~平成301221日(木)

 

実施先

平成301130日(金)14:0016:00…田端谷田橋サロン…参加者21人、職員8

平成30125日(水)18:3020:30…田端谷田橋サロン…参加者2人、職員6

平成301220日(水)18:0019:30…豊島5丁目団地…参加者38人、職員13

平成301221日(木)14:0016:00…しもぞうハウス…参加者21人、職員9

「実施結果まとめ」について、当時の意見・表現をもとに掲載しています。

 

  • 我がまちふくしミーティング実施結果まとめ

1…困っていること・課題に感じていること

地域的視点

・回覧板の情報が行きわたらない。(滝野川)

・近所に居場所が少ない。(滝野川)

・活動の宣伝力が必要。(滝野川)

・地域にある医療関係やお店など、情報交換の場がほしい。(滝野川)

・外国籍の方とのコミュニケーションが難しい。(王子)

・情報不足の人が地域にいる。(王子)

・自治会に後継者がいない。(王子)

・団地が大きすぎて、目が行き届かない。(王子)

PRをどうしたらいいか。(赤羽)

・何をしているかわからないと入りづらい。(赤羽)

・初めて入るのが恥ずかしい。(赤羽)

 

子ども分野

・地域の子ども会がなくなりつつある。(滝野川)  

・外国籍の子どもが交流できる(気軽に安心して来ることのできる)場がない。(王子)

・若いママが赤ちゃんを抱えながらの家事が大変という話を聞く。(赤羽)

 

高齢者分野

・ネットでの買い物を代行してほしい。(滝野川)

・集まる場所に来ない人へのアプローチの仕方を知りたい。(滝野川)

・ひとり暮らしだとサロンのような立ち寄れる場所が必要。近所にサロンがあってうれしい。(滝野川)

・ひとりで介護している人が孤立しているのでは。(王子)

・仕事をリタイアした人が引きこもっている。(王子)

・イベントなどがあっても、出かけるのにパワーが必要。(王子)

・診療所がなくなって困っている。(赤羽)

・大型スーパーなど、徒歩では距離がある。(赤羽)

・プライバシー侵害の問題、どこまで助けていいのか。(赤羽)

・高齢者一人暮らし男性は近所づきあいがない人もいる。(赤羽)

 

障がい分野

・障がいがあって一人暮らしをしている人も多く、さまざまなトラブルに巻き込まれることも多いため心配。(王子)

・耳が不自由なため、火事、地震などの災害がこわい。(王子)

 

サロンでの視点

・男性版サロンがあると良い。(滝野川)

・夜に開催したら男性が来やすいのでは。(滝野川)

・土日祝も開催してほしい。(滝野川)

・新規参加者などのために、誘いあって参加できる仕掛け。(王子)

・男性の参加者が少ない。(王子)

・身内だけの集まりになってしまう。(赤羽)

・いつ何をやっているかわかるようにしてほしい。(赤羽)

・拠点に責任者がいてほしい(好きなときに入れない)。(赤羽)

・拠点に入るハードルが高い(オープンにしてほしい)。(赤羽)

 

共通分野

・赤ちゃんから高齢者まで集まれる仕掛けづくり。(滝野川)

・個人情報の壁があるが誰でも参加しやすいようにできたら良い。(滝野川)

・勉強会(ストレスケア、健康づくりなど)をやってほしい。(滝野川)

・リーダーとなってくれる人材が不足している。養成が必要。(滝野川)

・外国籍の方など、文化や慣習のちがい。(王子)

・マナーが悪い人はコミュニティにも入ってこない。(王子)

・太鼓の音など、過敏な人にとってはつらい。(王子)

・家にこもっている人に少しでも外に出てもらうにはどうしたらいいか。(王子)

・ミニバスが来てほしい。(赤羽)

・居場所があるが重なってしまう。(赤羽)

 

2…身近な地域で自分たちができること

地域的視点

・地域に特化した情報交換会の開催。(滝野川)

・東覚寺で毎日行っているラジオ体操の活用。(滝野川)

・谷田橋サロンなどの拠点でお祭りの開催。(滝野川)

・外国籍の方とも新しいコミュニティをつくりたい。(王子)

・住民の力を活かすことのできるイベント。(王子)

・顔の見える近所づきあい。(王子)

・自治会員以外でも声を掛けあえるきっかけ作り。(王子)

・ちょっとした不安や悩みをお互いに話し、聞く集まり。(赤羽)

・仕事できること(裁縫・大工仕事など)のある方もいらっしゃるかも。(赤羽)

 

子ども分野

・母子だけではなく高齢者も一緒に交流できる場所。(滝野川)

・お祭りをやると子どもたちが集まる。(滝野川)

・子ども、障がい者、高齢者などの垣根を越えた交流の場。(王子)

・ギャラリー、アートなど子どもの絵を活用した交流。(王子)

・昔からの住民が多い。若い住民、新しい住民もいる。新しいマンションに期待。(王子)

・子ども食堂に多い時には50人くらい来てくれる。(赤羽)

・午前のお散歩で拠点に寄ってはどうか?(赤羽)

 

高齢分野

・買い物代行。(滝野川)

・町会・自治会の見守り事業との連携。(滝野川)

・パソコン、スマホ教室(お試し会なども)。(滝野川)

・ちょっとした声掛けや、手伝いができるとよい。(王子)

・孤立しない仕掛け。(王子)

・高齢者のもつ特技を活かして子どもと交流。(王子)

・子ども、障がい者、高齢者などの垣根を越えた交流の場。(王子)

・さりげないささえあいのまち。(赤羽)

・サロンでいっしょにミシンの使い方を勉強。(赤羽)

・得意なハーモニカを演奏し、盛り上げてくれる人もいる。(赤羽)

 

障がい分野

・子ども、障がい、高齢などの垣根を越えた交流の場。(王子)

・手話を覚える。(王子)

・障がいを知ってほしい。(王子)

 

サロンでの視点

・ゲーム性のある内容なら男性が来る。(滝野川)

・他のサロンと曜日を分けて開催。(滝野川)

・スタンプカード(ポイントカード)の導入。(滝野川)

・職人さんの話などの講演。(滝野川)

・空き店舗などが多いため、そういった場所を自転車置き場やサロンにできないか。(王子)

・引きこもりがち、認知症の方も参加できている。(王子)

・話の中から相談につながることもある。(赤羽)

 

共通分野

・健康の話題(情報交換など)なら誰もが関心がある。(滝野川)

・特技を活かして地域に出ていく取り組み。(滝野川)

・拠点がボランティアコーディネートの役割を持つ。(滝野川)

・まちの情報ステーション。(滝野川)

・ボランティアに関する情報提供、活動の拠点。(王子)

・大学とのコラボ。(王子)

・高齢、障がいなどの勉強会+交流。(王子)

・絵本を読める会。多世代交流にもなる。(赤羽)

・人同士かかわると元気をもらえる。(赤羽)

 

3…実現のために専門家や行政に望むこと

高齢者分野

・認知症専門医が近くにいないため、行政などで配置できないか。(王子)

・病院を巡回するバスがほしい。(王子)

 

障がい分野

・災害時など音で知らせる仕組み。(王子)

 

子ども分野

・サロンまでの送迎の仕組み。(王子)

・活動に対する助成。(王子)

 

共通分野

・外国籍の方がいつでも相談できる常設の場所。(王子)

・暖かく、座れる場所。(王子)

 

 

6…策定に向けたこれまでの地域向け説明会・周知活動などに関する概要

目的…「第4次北区地域福祉活動計画(素案)」に対し、地域住民、関係団体・機関などからの意見を幅広く募集し計画への反映に努める。

 

  • パブリックコメント

実施期間…令和元年515日(水)~531日(金)

実施方法…北社協ホームページおよび広報紙「きたふくし」によるパブリックコメント募集の呼びかけ。北社協事務所および2カ所の地域拠点(ぷらっとほーむ)に備え付けてある所定の「パブリックコメント意見提出用紙」に必要事項を記入し、メールまたはFAX、郵送、窓口来所にて受付。

 

  • 地域向け説明会

実施期間…58日(水)~621日(金)

実施先

58日(水)桐ケ丘地区民生・児童委員

58日(水)高齢施設長会

514日(火)十条地区・王子地区民生・児童委員

515日(水)北区町会・自治会連合会常任理事会

515日(水)赤羽東地区民生委員・児童委員

516日(木)地域包括支援センター社会福祉士連絡会

517日(金)滝野川地区、西ケ原地区、田端地区民生児童委員協議会

612日(水)赤羽中央地区・赤羽北地区民生・児童委員

619日(水)昭和町地区自治会連合会正副会長会

621日(金)北区豊島・堀船地区民生・児童委員

 

  • おちゃのこ祭祭

実施期間…68日(土)~69日(日)

実施方法…「第4次北区地域福祉活動計画」の概要および素案の展示。「私たちにできること」の意見募集。

 

 

7…これまでの北区地域福祉活動計画

基本理念…誰もが安心して暮らせるまちづくり

①一人ひとりを大切にするまち

②誰もが平等に生きられるまち

③みんなの力でつくる福祉のまち(みんなが参加してつくるまち)

 

1次北区地域福祉活動計画(平成8年度~)

基本目標

1…地域ごとのまちづくりをしよう

2…自主的な活動を広げよう

3…地域福祉ネットワークを充実しよう

4…社会福祉協議会の基盤を強化しよう

 

施策の方向性

1)まちをよく知る

1)まちづくりの拠点をつくる

1)ささえ合い活動の促進をする

2)自主的活動をはじめるきっかけづくり

2)活動を継続し発展させるための支援

2)ボランティアセンターの充実・強化

3)機関・団体・個人をつなぐコーディネート機能の充実

3)情報提供機能の充実

3)相談・調整機能の充実

3)社会に対する提言機能の充実

4)財政基盤の充実・強化

4)組織基盤の充実・強化

4)活動基盤の充実・強化

 

2次北区地域福祉活動計画(平成18年度~)

基本目標

1…多世代によるささえあいの輪を広げる

2…一人ひとりの立場に立った支援を実現する

3…区民に支持される北社協をめざす

 

施策の方向性

1)住民の福祉に対する意識の高揚

1)活動のきっかけづくりと福祉教育の推進

1)地域福祉活動を支える担い手の発掘と育成

1)団体及び自助・相互援助団体の活動促進及び支援

1)地域団体・各関係機関・団体の協力・連携づくり

1)住民による福祉活動の推進

2)地域でのつながりで支えるシステムの充実

2)権利擁護センター「あんしん北」の強化

2)福祉サービス事業の質の向上

2)福祉に関する相談、情報収集、提供の充実

2)援護活動の実施

3)財源確保と財務運営の健全化

3)サービスの質の向上と効率性を確保できる人事管理制度

3)健全な執行体制の構築

3)会員及び区民への情報提供の充実

 

3次北区地域福祉活動計画(平成26年度~)

キャッチフレーズ

北区でつくろう、みんなでささえあう33万人の輪

基本目標

1…地域の中でわかりあい、つながり、参加できるしくみをつくる

2…地域の中で一人ひとりの思いに寄り添った支援をする

3…地域の中での「孤立」にアプローチする

4…地域の中でさらに活躍できる社協になる

 

施策の方向性

1)多分野、多世代の交流の輪を広める、増やす

1)子どもの頃からの福祉意識を高める

1)必要な情報が得られるようサポートする

1)だれもが気軽に相談できる場をつくる

1)各種サービスの充実と多様化を図る

1)地域課題の解決に向けて、ともに動く

2)地域で孤立を見逃さない

2)地域で孤立している人を支援する

2)地域で「孤立」を予防する

3)地域の特性に対応した取り組みをする

3)災害に備える

3)組織を強くする

3)財政基盤を強くする

 

 

令和元年9

4次北区地域福祉活動計画

編集・発行:社会福祉法人北区社会福祉協議会

114-0021

北区岸町 1-6-17

TEL:03-3906-2352

FAX:03-3905-4653

https://kitashakyo.or.jp/

2019.9第1